700字文体シャッフル・リターンズ
優勝: SuamaX(的中 7)
テーマ: 転換
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文体シャッフルって?
みんなで匿名で文書いて、それを誰が書いたか当てる企画です!
参加資格
Discordサーバー「21, 22職員鯖」に参加している。
文がAI作ではない。
ルール
1人1作まで。
真面目にやること。短歌1本だけetcは蹴ったりはしませんがおれがキレます。それを文体とは言わん。
参加するんなら著作を残せ🤬参加した後ででもいいから残せ🤬🤬
teruteru_5
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著者ページ
makigeneko
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著者ページ
MemoryLapse
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著者ページ
hallwayman
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著者ページ
King-Crab373
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著者ページ
KABOOM1167 does not match any existing user name
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著者ページ
SealBaby-V
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著者ページ
MikuKaneko
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著者ページ
Copperstatue does not match any existing user name
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著者ページ
投票方法
以下のテンプレートに従って予想をし、Musibu-wakaruのDMに送ってください。
No.1:
No.2:
No.3:
No.4:
・
・
・
著者まとめ
1, Cocolate
2, makigeneko
3, Touyou Funky
4, Tutu-sh
5, r-suika
6, KABOOM1167
7, leaflet
8, Tobisiro
9, Fireflyer
10, MemoryLapse
11, King-Crab373
12, MikuKaneko
13, Matcha tiramisu
14, OwlCat
15, Ainari
16, Copperstatues
17, GW5
18, SealBaby-V
19, teruteru_5
20, Childream
21, four Borreto
22, KcammmLi
23, sakapon
24, ashimine
25, hallwayman
26, Sodyum
27, rokurouru
Cocolate×4 MemoryLapse SealBaby-V MikuKaneko×2 Ainari Tutu-sh Matcha tiramisu teruteru_5×3 Fireflyer
海がみえる。そして私は今から死ぬ。
心で渦巻く葛藤や何かがそれを決めたときなくなった。
最後に日の出でも見ていこうと思って腰掛けたベンチに、人が座ってくる。
こいつが最後に話す相手か、と思いながら話しかける。
「やぁ、いい天気ですね」
まだ日が出てないから天気なんてわからなかったか、と思った。
彼か彼女か分からないそれは、応える前に私の手を握った。なにをするんだと口を開くまえに、目が開いた。
視界が転換した、暗い景色は波に溶けた
空を追いかけた風は名残惜しそうな柘榴色を残した
陽を映して包む岩へ千々砕ける波は、一つ一つが滲む宝石のよう。
泡と溶けた雲の面影が、何もかも置いて走り抜ける
からっぽのような体から涙がこぼれた。
私には眩しすぎた。いのちがぶつかる火花も、いのちを燃やして生きる物も。
ずっと見ていたいと思った。
黒々と佇む船はきっと白昼夢。
そして海は、息の根を感じた。どこまでも澄きとおった。先なんてない気がした。
「これがあなたの見てるもの?」
「そう」
「生きてるから」
生きてるから、という言葉を飴玉のように転がした。
意味を飲み込んだ瞬間、手の感触が消えた。
ここは何もいない。
言葉は途切れた。
徐々にそれがおわっていった。
砂の城が溶けて黒い視界に呑まれた。
蝉の声が夏の静寂を切り裂いて戻ってきた。
何かが舞い上がった空はもう晴れていた。
田舎町の空気が圧縮されて押し出されて青に消えた。
目に慣れぬ制服の学生が笑いながら走っていく。
深呼吸が肺を刺した。
空っぽだった心は、冀望が満たしていた。
共鳴する陽が希望をかたちつくる。
ベンチの下に、透明なカゲロウの遺骸が落ちていた。
ありふれた今日が始まった。
夏の終わりのことだった。
makigeneko KcammmLi×5 sakapon Copperstatues×2 leaflet OwlCat teruteru_5 Tutu-sh MemoryLapse hallwayman
その形はともかくとして、かつて我々のほぼ全てが共通して抱いていた”世界を転換する”という善なる決意が仕切り屋によって”転換返された”ことは、今ならもう誰もが知っていることだ。
原初以来、我々によって世界規模で戦いが起きていた時代があった。すでに敗戦した者たちはみな当時の思いから転じて久しく、改めて聞けば「なんだ、未だにアレを続けている者が居たのか」などと他人事にして笑うだけだ。しかし、私にはその発言を批判することは決してできない。
私が最後の敵として見ていた者は、今では旧友的存在と成り果て、もはや打倒対象どころか支え合いの関係となっている(彼もまた心からそう思っていることを祈る)し、次いで今も私を取り巻いてくれている気持ちばかりの軍勢に対しては、言いたかないがイエスマンとはこういうものなのだろう、という目で見てしまっている。
現存する恒星はとっくに全て燃え尽き、世界の全生命はそれよりもはるか過去に滅した。あるいはごく少数が別世界へと転移していったらしいが。もう、我々の中の誰かが救うはずだった存在たちを思うこともない。
(膠着状態が継続しています。必要ならば双方間の譲歩意思を表すことを推奨します)
ああ、知っている。この仕切り屋は、言われなくともこちらが一番分かっている状況をわざわざ毎回示してくる。
「さて、通知が来たところで私は保留とさせてもらおう。そちらはどうする」
「ああ。私もそれで良い。すぐ休戦としよう」
(双方の表明および意見の一致を確認しました。これより暫定的休戦とし、所定時間の留保状態に移行します。所定時間の経過に伴い、休戦状態は解除されます)
Touyou Funky hallwayman Cocolate OwlCat Copperstatues×3 KABOOM1167 r-suika MemoryLapse SealBaby-V×2 leaflet KcammmLi
俺は長文を書くことなんて今までほとんどなかったし書いたとしても典型的なビジネス用の言い回しをコピペしたような文章しか書いたことがないから、とりとめのない文章になってしまうだろうが我慢してほしい。活字嫌いのお前のことだから、もう読むのをやめてしまっているかもしれないな。もしかしたら今まさにこのメールを閉じようとしているところかもしれない。そもそも読んでもないか。それでも、この文を読むのに時間を割いてくれないか。これでも俺の思いを一生懸命文字に起こしてるんだから。読んでほしいんだ。4月17日。お前は覚えているだろうか。忘れるわけないよな。なんてったって、お前が死んだ日なんだから。今でもソラで言える。あれは桜がせっかく咲いたのに雪が降った日の夜だったな。花冷えの季節なんてよくいうが流石にこれはやりすぎだろって言い合ったからよく覚えてる。その夜、お前は枯葉みたいな錆がいっぱいついた階段を恐る恐る、でも足早に降りてコンビニに向かったんだよな。そして鉄の塊がお前を吹き飛ばした。お前と俺の命はその時もう終わったんだ。俺は巻き込まれなかったけど、俺だってあの時確かに死んださ。今は精神の不調は治ったことになって職場に復帰してるけど、でもお前を喪ったら俺に何が残ると思う?はっきり言って、今これを書いてる時点でもう生きてる気がしないんだよ。あの瞬間が全部を変えてしまったんだ。分かってくれるかい。これからお前に明かす計画が自己満足かそうでないかは分からない。でも俺はやるつもりだ。何のためにやるかは分からないけどとにかくお前のために。お前を愛してる。心の底から。あいつの魂をお前に捧げよう。
Tutu-sh ashimine×3 OwlCat×2 GW5 Fireflyer makigeneko Matcha tiramisu×2 Tobisiro hallwayman×2 Cocolate
建久五年三月二十四日。陸の暖かみは届かない。漁にうってつけのお天道様とは裏腹に、海の飛沫は衣を濡らし、冷気はうなじを静かに撫でまわしていた。舟が揺られて水を散らす中、肌を突き刺す悪寒に苛まれながら、俺の意識は他に向く。
かちゃり。かちゃり。
それらは木の繊維に爪の先を預け、舟縁を引っ掻きながら登っていた。それは蟹だが、どうにも異様なのだ。汚らわしい茶色の背の上には、悪鬼羅刹の如き顔が浮かんでいる。一寸ほどのその蟹は止め処なく舟へ登ってくる。何かの怨念に吊られるように、鋏を高く振り上げながら。
ぷつ。ぷつ。
嫌な音が聞こえた。振り向けば、俺の父が倒れている。先刻まで蟹を相手に櫂を振り回していた父も、最早体力が底をついてしまったらしい。蟹の鋏は肌を破り、肉を摘まみ上げ、もそもそと口に運ぶ。蟹が人を喰っている。どこか雅な宴の如く、蟹が人にありついている。
こつ。こつ。
かく言う俺も既に腕が痺れていた。泳ぐ体力は無く、舟も沖に流され過ぎた。やがて蟹は背をよじ登り、俺の耳をむんずと掴んだ。苦痛のあまり頭を下げると、磯の臭いではない、腐った死体のような臭みが鼻を突いた。おえ、と声を上げる間も無くして、群れは俺を引き倒す。
きち。きち。
群れて蠢く蟹どもを見れば、侍に囲まれ地べたに伏したあの日が記憶に蘇る。鎌倉殿が破る前の、古く忌まわしいかの一族だ。
「平家にあらずんば人にあらず」と。
偽りの都を夢見るあまり現を抜かした武家の残滓。海に沈んで今なお穢土にしがみつく、傲慢で驕り高ぶる物の怪どもだ。全てが変わった世の中で、滅びを迎えたかつての人は移ろいに取り残されたらしい。
蟹の背は塩水の艶を見せた。
──ぶつり。
r-suika×2 KABOOM1167×3 Sodyum GW5 Matcha tiramisu×2 OwlCat×2 MikuKaneko Childream King-Crab373 Ainari
蛮族ストレイドッグス
『バアバリアン』それは半年前に勃興した異能者組織であり、ここ最近で急速にその勢力を拡大していた。「若葉鉄道連続爆破テロ事件」で対立異能者組織の輸送網を根絶やしにし、敵が弱った其の一瞬のうちに「QBism主義者暗殺騒動」にて近隣一帯の支配体制を確立するなど、蛮族の如き戦術で敵を翻弄していた。其の組織を統御せし首領は"王"という通称で識られていた。しかし、現在バアバリアン内部では王権転換を狙い内戦が起きている。当初、組織に於ける影響力は"王"ただ一人に集中していたが、機人異能者"Mauve"が戦果を上げ始めたことで影響力が二分され、その間隙を敵組織に突かれ内戦が勃発したのだ。
そして一連の事件の黒幕たる人物が薄暗い部屋の中で、パソコンに向かい誰かと会話していた。
「異能者組織間抗争を誘発し、邪魔な組織らを大きく消耗させることに成功しました。警察はこの事件の対応に追われ監視網が手薄に、蛮族らも内戦の影響で弱体化。次の作戦でこの街は我々の物となるでしょう。然し、財団がこの抗争に関心を持たぬよう小細工が必要です。今はまだ私が生きていると財団に識られる訳にはいきませんから。」
この人物の素性は尽く謎だ。裏社会の情報網はこの人物を認識できてすらいない。唯一判明しているのは"最高管理者"という渾名、財団への深き因縁。
その正体は──
最高管理者"CheshireCheese" ──能力名「サイトに参加する」
Copperstatue×2 Fireflyer Sodyum Matcha tiramisu Tutu-sh×2 Touyou Funky×2 hallwayman KcammmLi King-Crab373 Tobisiro leaflet teruteru_5
転がる石には苔が生えぬという言葉がありますが、この諺の苔には肯定的な解釈と否定的な解釈が含まれます。実社会でも転職や転居していい結果に収まるかはケースバイケースですが、それでも転がるべき時というのが人生には一つや二つあるでしょう。この財団では特に。
この男なんていい例です。もう50を超える研究員なのに、雑用のような仕事ばかりしています。無害なアノマラスアイテムをロッカーから出しては点検して戻すだけ。過去の数回の失敗と、お粗末なコミュニケーション故の敬遠が、彼にこの生活を強いていました。
今朝は鉛筆削りを使ってみました。ロッカーからひょいと取り出し、持ち手を回すとゴリゴリと音がして孔から鉛筆が出てきました。点検シートに異常なし、と書き込み元に戻します。次は肌が乾燥するワセリンを取りに隣のロッカーを開けます。これが男の仕事ですが、今日は少し様子が違うようです。数件の仕事を終えると、彼はサイトの人事部に向かいました。
「今月いっぱいでここの仕事を辞め、フロント企業に転勤したいと思います。こちらが申請書です」
「あー悪いけど今忙しくて余裕無いのよ。後にしてくれる?」
「え、あの、申請書にハンコだけでも……転勤先は自分で探しますから」
「勝手なことはしないで頂戴、そういうのはウチでするから」
「はい……」
「ちょっと、申請書は置いていってよ、後で処理しとくから。多分却下だけど。空きないから」
「あっ、はい」
「えーとメモメモ。……ペン切れてる。なんか書けるものない?」
非異常性の鉛筆を彼女に渡します。
「多分来週の月曜までにはできてるから、取りに来てくれる?」
「大丈夫です。暇なので」
男は今日もコケにされました。
sakapon×2 KcammmLi×2 r-suika rokurouru×2 King-Crab373 teruteru_5 Tutu-sh×2 Matcha tiramisu Sodyum KABOOM1167×2
死体を作るのは簡単だが、死体を消すのは難しい。
シャワーを浴びて返り血を洗い流す。
今、俺の部屋には男が倒れている。何かの勧誘員で、全然知らない奴だ。丁度虫の居所が最悪だった俺は、あまりのしつこさに包丁で首筋を切りつけてしまった。
「どうしよう。」
シャワーを終える。倒れた男を改めて見つめる。
なんだかムカついてきたな、なんでこいつ俺の部屋に居るんだ?早く出て行って欲しい、知らない奴が部屋に居ると腹が立つ。おい、出てけよ。クソ野郎。
結局こいつは出て行かなかったので、俺が引き摺ってアパートの共用廊下に放り出さなければならなかった。人の部屋を血まみれにしやがって、最低な野郎だ。
「不審者がアパートの廊下に居る、か。」
通報を受けて向かった先のアパートで、私が見たものは不審者などではなかった。
死体。
死体だ。
どうやら彼が不当に廊下に居座り続け、住民や大家は困っているようだ。
この死体のような臭いでは、迷惑も極まるだろう。
「お兄さんね、ちょっと一緒に来てもらえるかな?」
応答が無い、非常に態度も悪く、大変悪質だ。
「もうお兄さんね、14時6分、現行犯。不法占拠ね。分かった?」
「こちらエージェント█、██署内で異常存在を対象としたと思しき調書を発見。回収バックアップを要請。」
「えっ先生……これ死体……いえ、えっと、あなたのお名前は?」
オレンジの繋ぎを着た男が言う。
「あのー、答えてくれませんか、困るんですけど?」
男は明らかにイライラした様子を見せる。
「あの?答えてくれます?無視ですか?」
男は大きく溜息をつく。
「先生、こいつ答える気ないです。」
死んでからというもの、人がやけに冷たくなった。
Tobisiro×5 Copperstatues Sodyum hallwayman Tutu-sh Ainari Cocolate four Borreto KcammmLi makigeneko MikuKaneko ashimine
脳が同じなら、自分は自分と言えるのだろうか。
顔を洗い、鏡に目を向ける。肩より短く切られた金髪に、ペリドットと同じ色の眼の人間が映る。三世紀生きている自分の、今の顔だ。口元を緩めると、微笑みという表情が出来る。本来笑った顔ができないのに。最近はこういう男の方がモテるらしい。
まるで自分らしさがない顔を消すと、シャワーにうたれてきたばかりの肌にバスローブをまとう。白く、柔らかく、体を優しく包み込んでくれた。その感触に酔いしれる間もなく紐をきっちりとしばる。後で脱いでしまうが、しっかりと着こなされた秩序を壊すのも卿の好みだ。
自分は変わっていない、と言い聞かせ、深呼吸をする。この、卿が一緒にカスタマイズしてくださった体を見せるのは初めてだ。
「遅かったね、ヴァーシャ」
バスルームを抜け部屋へと戻ると、卿はベッドに横になり、部屋の灯を眺めていた。
「申し訳ございません。この体に、まだ慣れていなくて」
卿はそうなんだ、と優しく答えると、僕もだよ、と付け加える。
「無表情って感じの君が、そんな風に笑うなんてね。その体どう?」
「外見は気に入っていますが……感情表現が上手くいかないです」
「ころころ表情を変える君も好きだよ」
卿が手招きするのに従って、卿の隣に横になる。作りものの緑色の眼を、何世紀も前から変わらない、夜空のような瞳が、見つめている。その手の感触が頬にあたる。この顔は赤面でもしていそうだ。
「私も、あなたのことが好きです。どんな姿でもその気持ちは変わりません」
卿はにっこりと笑ってくださった。
体温を感じる。ひんやりとした中にどこか暖かさを感じる。そんな銀世界の焚火のような感覚に、身を任せることとした。
OwlCat r-suika makigeneko×3 MikuKaneko×2 Tutu-sh×2 MemoryLapse×2 hallwayman Matcha tiramisu KABOOM1167
12月18日、私は一首の短歌によって人生が変わった。
ヴェルダンの 苦しみに向けた カタルシス トリコロールに 狂い咲く薔薇
純粋な追悼の想いで私が書いたこの短歌は、批評家が尾鰭をつけて、瞬く間に大衆の記憶を駆けた。新たな風が欲しい歌人達は「新しい短歌」として私の歌へ賛美を贈り、雑誌の批評家達はこの歌には戦争の悲惨さを語ることが出来るほどのパワーは無く、カタルシスという言葉は追悼には不適切だと私を批判した。
仰る通りだと言いたかった。所詮私は短歌で稼いでもいないし、酒屋の経営が本業であるアマチュア歌人だった。そんな私が歌人として世界を生きている人達に批判を受けるのは至極当然。ましてや「新しい短歌」と賞賛する人の気が知れなかった。
兎も角、言いたいのは、第一次世界大戦中のヴェルダンの戦いで死んだ人々を私が追悼するには力量不足だったのだ。そんな歌では死者を貶してしまうとも考えた。だからこの歌を発表した3ヶ月後、一雑誌のインタビューを全て蹴った後だ。一私は春休みを取って短歌を詠むことに没頭した。
中学生が詠みそうなテンプレートな歌から。
桜舞う 入学の門で 駆け出して
学芸会 重苦に耐える 君の目は 紅葉に優る 月の明るさ
少し捻った歌まで。
晴天下 哀調に鳴く 鷦鷯 薄い灰色 染まりゆくキミ
そして、一通り書いた後に、プロの作家でも無いのにも関わらず、この歌を自らの転換点とする為にこう書いた。
入稿に 焦り覚えて 武者震い スランプ明けの 春一番へ
そして、麗らかな春の公園でこの歌を詠んで以降、私は二度と詩を書かなかった。
Touyou Funky leaflet four Borreto ashimine×2 rokurouru teruteru_5 Tutu-sh Ainari Tobisiro Childream SealBaby-V×2 OwlCat Matcha tiramisu MikuKaneko
あの日、私は気晴らしに外へ出た。
そして落ちた。
気が付けば見慣れぬ白い天井が見えて、私は状況を把握した。
橋から飛び降りて全身骨折した私に、父さんと母さんは泣きながら抱きついてきた。
「どうしてこんなことをしたの」
わからない。ただ、飛び降りてみたかっただけだったのだと思う。
言葉を隠して二人に目を向ける。私を想って泣いてくれることが嬉しくて、哀しくて。私はもう二度と飛び降りなどしないと決めた。
それから五年。私は気晴らしに外へ出て、また落ちた。
久々の光景に医者の説教。逢いにきてくれた父さんはぐしゃぐしゃに泣いていた。母さんはもう居ないから。
「どうしてこんなこと」
わかんないよ。また飛び降りてみたかった。それだけ。
乱暴に飛び出しかけた言葉を飲み込んで、私を何よりも想って育ててくれた父さんの為に、私はもう絶対に飛び降りなどしないと。そう決めた。
決めた筈だったのに。
またここにいる。
また落ちたくなってしまった。私は引かれるようにして、橋の手すりに脚を掛けた。
その時、彼が私に飛び付いて、私は彼と共に歩道へと倒れ込む。
「馬鹿野郎」
彼は泣いていた。もう父さんも母さんも居ない私の為に。彼は一生懸命に私へと訴えかけてきた。
死ぬな。生きてくれ。お前が居なくなったら俺はどうしたらいい。
そんな言葉が私の中に反響して、涙が溢れ出てくる。
だから、ごめんなさい、と。
そう言いたかった。
私は落ちた。彼もまた、私を止めようとして一緒に落ちた。
霊安室の中、私は冷たくなった彼の前で呟く。
「ありがとう、ごめんね。私はもう大丈夫だよ」
涙を拭いた私の腕に今、手錠が掛かった。
King-Crab373×2 makigeneko Tutu-sh×3 Childream×2 Fireflyer×2 Touyou Funky Sodyum leaflet sakapon hallwayman rokurouru
あの日の夕方、ネットニュースを見ていると、今日の深夜に流星群が見れるとの記事を見かけた。この地域でもはっきりと見えるらしい。
「流星群なんてテレビでしか見たことが無かったな」
テレビの映像ではよく見るが、あれの何が素晴らしいのか全く理解できなかった。今日は運のいいことに親が短期の旅行中。見に行ける好機かもしれない。逃したら次は二度と見れないかもしれない。チャンスは強打。見に行こう。そう決めた。
23時半頃、身支度をして戸締りをし、月明かりの下で坂を登り始めた。目指すは坂の上にある丘公園。あそこなら少し遠いが見晴らしが良いに違いない。少し寒気がして、途中のコンビニに入った。財布には小銭が数枚、飲み物でもいいかと思ながらホットミルクティーを購入し、コンビニを後にした。
暫くしてようやく到着した。誰もいない、見晴らしの良い原っぱが一面に広がっていた。公園の中心に座り込み、さっき買ったミルクティーを口にして体を温める。まだかまだかと待っていると、遠くの空から一筋の光を先頭にして沢山の光が降ってきた。まるで月に石を投げるかのように目で追いきれないほど大量の光が降り注いでいる。息をのむような、画面越しでは感じない壮大さをこの目に、この脳裏にしっかりと焼き付いた。
流星が消えてもなお僕は口を開けたままその場にいた。ミルクティーはもう冷めているが体はずっと火照っている。手足を広げて寝転がり、もう一度空を見る。無数の星たちが顔や体を覆い隠すかのように瞬いて光っていた。興味の無かったこの空に対して、言い表せないほどの感動が波のように押し寄せてくる。僕はこの光景に、この果てしない宇宙に小さな恋心を抱いた。
rokurouru leaflet×4 Sodyum×2 KcammmLi sakapon Tutu-sh GW5×2 King-Crab373 Touyou Funky Tobisiro
収監。
自ら監獄に入り、鍵は存在しない。これでいつでも好きなときに出られる。
監獄という閉鎖された空間で、自分のやりたいことを行う。このヒンヤリとした無機質な床の感触、少し張り詰めた空気感が集中できる。
ある意味、ここは日常の中での居場所となっている。特に理由がなくても、ここに集まってただ何かをしている。
この外部とは切り離れた内輪の環境が身体に合っているのだろう。
そんなことを考えながら、作業を始めた。
入ってから数時間ほど経っただろうか。一旦休憩しよう。
ふわあぁ、と欠伸をしながらついでに周りに目を向けてみる。
ここにはそれぞれが思い思いのことしている。ある1人はただ勉強していたり、もう1人は数人で集まって麻雀をしていたり。
時には皆が勝手に集まって雑談で盛り上がることもあるが、結局は赤の他人だ。
どこまでも距離が近づいて、心が通じ合ったとしても他人であることは変わらない。身体が一体になれば別だが。
他人だから、理解し合えなくて当たり前だ。その時その時が楽しければいい。
ここにきて、そう思えるようになったかもな。
そんな想像をしながらも、ぼちぼちと作業は進めていた。
はっと気がついた。身体が痛い。頬が机に触れていてヒンヤリとする。
何故か机に突っ伏している。
あれ、作業をしていたはずだ。最後の記憶は何時だかわからない。
ゆっくりと目が覚める。目が覚める?
そうか。寝落ちしてしまっていた。
ああ、またやってしまったのか。何度目だろう。
ここ最近、仕事が忙しく何度も寝落ちしてしまっている。
どうにかして改善しないとな。
周りを見渡す。予想通り誰もいない。
起き上がってぐぅっと伸びをする。よし。
脱獄───
Matcha tiramisu rokurouru SealBaby-V×2 King-Crab373 Ainari leaflet ashimine Tutu-sh r-suika Copperstatues teruteru_5 MikuKaneko Sodyum
……あっ、すみません。
確かに、いきなり話し始めたら変ですよね。
まぁ、これも何かの縁ですね。
ちょっと座って、僕の話に耳を預けてください。
僕、前はサラリーマンだったんですよ。
とは言っても、普通の会社で普通の役職でしたが。
いや、何か不満があったわけじゃないんです。
上司も良い人でしたし、同僚・後輩とも良い関係でしたし……
ただある日、ふと思ったんです。
僕の人生、このままで良いのかって。
普通の人生より、起伏の多い人生の方が良いんじゃないかって。
井の中の蛙大海を知らず、当時の僕も色々な事をしてみたかったんです。
だから僕は、地元のスポーツイベントに参加したり、絵を描いてみたり、ソムリエを目指したり……
どれも長続きはしませんでしたが。
そんな僕でも、1つだけ続く事があったんです。
“釣り”です。
釣りの楽しさにすっかりのめり込んじゃって。
仕事終わり、ほぼ毎日堤防で夜釣りしてました。
……夜釣りにも慣れてきた頃、堤防で足を滑らせたっきり……
目が覚めたらこんな姿でした。
いや、後悔はないです。
波のある人生、出世のある人生、何より新しい世界。
……あの、釣り人さん。
釣られた身が言うのも変ですが、リリースしてくれませんかね?
僕との奇談も、水に流してくれれば……
・
・
・
てん‐かん【転換】
①物事の性質・傾向・方針などが、それまでと変わること。また、変えること。「話題を―する」
②〔心〕(Konversion ドイツ)抑圧された願望が身体的症状の形をとり表出されること。フロイトの用語。 (広辞苑より引用)
OwlCat Tutu-sh×3 GW5×5 MikuKaneko Fireflyer KABOOM1167 King-Crab373 Matcha tiramisu
教室の前に恐竜がいて帰れない。
教室の前に恐竜がいて帰れない??
「ケラトサウルスだよ、未夏。」
幼馴染の谷がいつもの調子で呟く。
冷静な解説ありがとう。とりあえず泣くね。
私が大げさに涙を拭うと谷が少し慌てた様子を見せた。面白い奴め。
そんな谷を見ていると、現実がちょっと霞む気がしたのだ。
教室の時計は午前三時を指していた。
二人の会話はとうに止まり、静寂と恐竜がその場を共同支配していた。
カーテン全開の窓に星空が透過し、谷の背がほんのり白む。
これまで私を何度も助けてくれた谷の広い背を見て、つい目を瞑った。
本当なら谷は今頃、カナダ移住の準備を済ませて寝ていたのだろうか。
恐竜を呼んだのは私だ。きっとそうだ。
谷が居なきゃ空っぽになってしまうと思って。
神様にずっとお願いしていた結果がこれなのだ。
「未夏。」
谷が突然静寂を破った。
本当の気持ちがバレたのかもしれない。
唇を噛んで、次の言葉に備える。すると。
「もう気張んなよ。未夏は俺より強いんだから。」
……。
予想外の言葉に、何かが震える感覚がした。
「気づいてないだろうけど、未夏が俺を変えてくれたんだ。何度も何度もな。それで、まだ恩は返しきれてねえ。だから。」
震えが涙に変わるのをぐっと堪えて息を吸う。
「いつか返しに行くから、待っててくれ。」
吸った勢いそのままに、私は叫ぶ。
「うん!待たねっ!」
ケラトサウルスが動き出す。学校の外へ飛び出していく。
負けじと私も立ち上がる。谷のいない世界へ飛び出していく。
てん-かん【転換】
1. 物事の方針・状況を変化させること。
2. 「ありがとう」が気恥ずかしい時に使う、過剰な演出。
Sodyum OwlCat×2 MemoryLapse leaflet teruteru_5 ashimine×2 Tutu-sh Matcha tiramisu MikuKaneko×2 sakapon Cocolate
あの子が嫌い、あの子が好き。誰しもが人生で一度は持つであろう感情、あるいは激情を、私は持つことができない。持つことを許されない。なぜなら───
今日もまた、危険な日々が始まる。本来なら薬のおかげで内向的に見える私が学校で視線を集めるなんてことはない。授業では先生から質問されれば答える程度、休み時間は誰とも話さず一人でスマホをいじっている大して特徴のない女の子の印象なんて誰に残るだろうか。
だけど今、私の目の前にイレギュラーがいる。やたらと話しかけてくるとある男子だ。どうやら私に好意を持っているらしい。いつもなら適当に相槌を打つだけですませるのだが、今日はそうもいかない。薬が切れそうなのだ。いや、もう切れたみたいだ。そして運悪く、目の前のお邪魔くんの話が長い。そして話は微塵も興味ない。ああ、うざった───
瞬間、握っていた手に刺すような激痛。思わず顔をしかめると、お邪魔くんは、持病の発作だと都合よく解釈してくれたみたいだ。解放された私は視線から逃れるためにトイレの個室に駆け込む。
やっぱりだ。指から生えた棘が手のひらに突き刺さっていた。
私が薬を飲む理由、それは、感情が昂ると自分の体から棘が生えるという異常性を防ぐために、感情の動きを抑制するためだ。
これがフィクションならば、恋をした相手と触れ合えない、そもそも恋もできないというジレンマとして描写されるかもしれないが、現実はそう甘くない。私はこれからも、嫌いたくても嫌えないあの男子に傷つけられることを恐れながら生きていくしかないのだ。
Copperstatues MemoryLapse MikuKaneko Tutu-sh×2 Ainari Tobisiro r-suika Sodyum×2 KcammmLi SealBaby-V makigeneko OwlCat×2
この男は一度死のうとしたのだがそれを実行することはなかった、それは彼の母親が自殺をしないように強く釘を差していたからであって、母親が言うには自殺しても家族が悲しむだけだが他殺や事故、病気なら金が入るので少しはマシになるが結局悲しむのは変わらないからそもそも死ぬな、と言う事であった。
そして彼は今、自殺しようとしてる人やその家族を救う活動に従事していて、コロナ禍の影響もあって彼が支援する人の数は増えてきているのだが、彼自身は今年で6回忌を迎える支援対象者が彼に向けて発した言葉で負傷した心がまだ治癒していない。
「なにが『君が生きたい一日を生きたかった人がいる』だ、『辛いのは君だけじゃない』だ、口先だけはいっちょ前だよなぁこのクソヤローが!お前にゃなんにも救えねぇんだよ、加害者のクセに善人ぶりやがって!」
彼はこの言葉を思い出しては、日々自分のやっていることが本当に正しいのか悩むことがある、が、彼は決してその活動を辞めることはない。彼は自分のやっていることは至極真っ当な事だと確信していて、他人が誤っていると言おうがそれを聞き入れることはないのだ。それ故にこの悲劇が引き起こされたといっても過言ではない。
とどのつまり、彼は”クソヤロー”だったがこれで命を落とした人間はいない、それどころか、詐取した「コロナ禍困窮者生活支援給付金」を使って経済事情の厳しい支援者の命を救っているのだが法律はそれを許さない。
そんなわけで、彼はとうとう禁忌を破る。彼を逮捕しに来た警官に刃物を向けて接近したところ、無惨にも警官の発砲を腹部に受けてそのまま往生を成し遂げたのだという。
GW5 King-Crab373×3 Tobisiro KcammmLi ashimine Tutu-sh Copperstatues Childream Fireflyer MemoryLapse makigeneko
「取り逃がした……」
警告と破砕音。その中でただ漠然と、そう思った。逃がしたところでどうなのか? 向こう数ヶ月の減給? 上司からの叱責? あるいは両方かもしれない。だが一番ありえそうなのは、『事なかれ』で全て揉み消されることだ。上司はきっと、己がキャリアを守るため、報告書をグッシャリ握り潰すに違いない。
1日が過ぎ、2日が過ぎ、それから3日が過ぎた。
銀行の明細表にはイチゼロゼロゼロ……いつも通り。
半年だろうか? ある時カナダで村1コが丸ごと消失したらしい。なんでも消失痕は、まるで巨大な生物の足跡のようであったと、ラボの某良とかいう奴が語っていた。それから彼に言わせれば、現地には"お友達"がいたらしい。仕事仲間が何人かお世話になっているので、軽く挨拶だけは済ませたとも語っていた。
……2ヶ月はなかったと思う。あの腹立たしい上司がくたばったのは。だけど死因がよりにもよって階段から脚でスッ転がせたなんて、そんな凡人じみた死に方が出来るとは思っていなかった。ポストが空いた以上、誰かがそこへ収まらなければならない。俺は御免こうむるが。
……………3日だ。たった3日だ。回りからの推薦もとい押し付けもあって、俺が昇格することになった。というか昇格させられた。辞令グイグイはもう止めてくれって、思ったが、しかし案外この地位も悪くない。好きな研究が出来ないのは堪えるが、他人を顎で使えるのは思いの他心地よかった。今にして思えば、上司の振る舞いも理解はできる。同情はしないが。
……今日はもう眠い。
そして今
警報が、悲鳴が、耳を劈く
ガラスは砕け、液体へ還る
思えばあの日……逃がすんじゃなかった。
SealBaby-V×2 Childream×2 rokurouru Matcha tiramisu Tutu-sh×2 teruteru_5 sakapon×2 Ainari×3
転換前
お前が!
お前が生まれたせいであいつは浮気ばっかするんだ!
いつもお前ら俺をバカにしやがって…!
あの人が私に愛想ついたのも、家が貧乏なのもあんたのせいよ!
生まれなかったらもっと楽に暮らせたのに!
あんたのせいよ!本当に何の役にも立たない娘だわ…!
お父さん。お母さん。ごめんなさい
私が全部悪いです
ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
転換期
あなたは何も悪くありません。悪いのはこの世界です
我々と優しい世界に行きませんか?
もちろんあなたのお父さんお母さんも一緒に
転換後
お前のせいであいつがどっかに言ったじゃないか!
教育はお前の役目だろ!
責任をもって育てようって気はないのか!
あなたが家を放置してフラフラしてるからでしょ!
家のこと何も知らないくせに!
全部あなたの所為よ!
反省
すみませんでした
もっと家のことも見るべきだったし、家族にやさしくするべきでした
反省しているので、もうやめてください。お願いします
旦那と娘がずっと帰ってきてなくて
家の中に血がついてて、本当に不安で…
はい、お願いします
招待
発見しました
外傷は特になさそうですが、一度病院の方に
その後事情聴取で。はい。わかりました
私たちみんな優しい世界に行けるんです!
それを伝えるために戻りました!
お母さん待ってて!すぐ連れて行くから!
反省
ごめんなさい
私は娘一人を愛すこともできずに浮気をする最低な女です
反省しています。本当にもうこれ以上はやめてください
待機
お母さんも連れて行っておいたよ
美咲ちゃんもいつでもおいでね
ずっと待ってるから
ようこそ
病院敷地内で自殺しているのを発見しました
おそらく自分で窓から落ちたのだと思われます
両親の捜索の方もお願いします
teruteru_5 Fireflyer Ainari Touyou Funky×2 Childream×3 King-Crab373 makigeneko leaflet ashimine KABOOM1167
「ああ…スピード…スピードが」
目の前の大破した愛機、ベスパを見ながらいつにも増して小声で速水は呟く。SCP-███-JPの追跡中、オブジェクトの体内から発せられたオイル状の液体により、速水ごとベスパがスリップ。間一髪で速水は飛び降りることが出来たものの、十二分に加速されていた愛機はそのまま直進。結果、前方に聳える壁にぶつかり大破してしまったのだ。
「スピード…おい、ベスパぁ…」
か細い声で速水が大破した車体に語り掛ける。ボディからは白煙と炎が上がり、跡形もなく燃え上がっている愛機からは、苦しむような低いエンジン音が出ていた。こんな状態では最早修理も不可能だろう、そう脳内では考えているものの、身体はそれを受け付けなかった。
回収部隊が訪れるまで、速水は燃え盛るベスパの前で涙を流し続けた。
「木場さん…スピード、いや、愛機が」
一か月後、負傷の回復した速水は木場購買長におどおどしながら声をかけていた。
「ああ、他の職員から聞いたさ。とんだ災難だったな」
「はい…愛機のなくなった俺なんて、スピードの出ないカスと同じです」
「まあ、そう気を落とすな。今日はお前の退院日だろ?ちょっとしたものだが、プレゼントを用意しておいた」
「プレゼント?」
怪訝そうな声で速水は呟く。目の前には大きな白い布に包まれた何か。
「お前の為に、オーダーメイドのバイクを作ってみたんだが、どうかな」
目の前には、かつての愛機を模した、つやのあるバイクが佇んでいた。
「これ、くれるんスか?」
「ああ、お前の為に作ったしな」
「ありがとうございます…!」
速水のエンジンは再び点火した。
Ainari×2 hallwayman×5 MemoryLapse×2 ashimine×2 KABOOM1167 four Borreto Fireflyer
……目的地まで互いに無言のまま、というのもなにかと野暮ですし、つい最近私の身に起こった奇妙な体験についてでもお話しましょう。
ある薄曇りの日の事です、等間隔に設置されたライトの下、深夜の高速道路上を走っていると、ある時を境に逆車線を走ってくる車がピタッと止み、自分がどこか非現実的な空間にいるような錯覚を覚えました。といっても別段怪異的な話ではなく、カーナビは自宅までの道を示し続けております。私はその錯覚をここ数十分代わり映えのしない風景の内に精神的疲労が生み出した感覚の食い違いだと納得し、それ以上の事は考えないつもりでいました。
しかしそれからしばらく経つと、私の眼前には到底信じられないような光景が飛び込んできました。本来下るはずの道がまるで天に向かっているかのように見当違いな方向に伸びているのです。いやそればかりか、私の前を走っていた車が本来の道を外れ、次々と、まるで吸い込まれるかのようにしてその異様な道へと迷い込んでいったのです。私は恐怖の末まともな思考力を失ってしまい、これはまるで自分の人生が委ねられた運命の分岐点なのではないかと、そんな浮世離れした妄想に取り憑かれながら私は分岐点へと差しかかったのです。
え?それで結局私がどちらの道を選んだのかですって?
わかりませんよ、何せまだどちらの道にも入っていないのですから。
そんな事を言っている内にそろそろ目的地ですね、前の車を見てください、ナンバープレートに1124と書かれているでしょう?妻の誕生日にしているんですよ。ほら、見てください、あれこそが澱んだ雲の上へと至る道です。
おや?おかしいですね。
本来ここは転換点だったはずなのですが。
four Boretto×12 teruteru_5 r-suika MemoryLapse
アラガッダの大使は苦悶していた。
王位の座。吊られた首が後退し、宮殿は理性を取り戻した。その傍らで黄色の陽が落ちると、彼は彼の矛盾の説明を再び試みた。彼には十分な時間があった、恐らくはその多くを推察に用いるだけの。
彼の千里眼は捉えていた。アラガッダの極星が現実のそれに流動する現象。アディトゥムを離れ、行方知れずとなった師。彼の追放劇が如何にしてアルコーンを逃れたのか。アディウムの中枢は未だかつてないほどに帰路に接近している。しばらくすれば復帰するのだろう その時には、いったい何が欠落していると言えるのだろうか?
彼は切られた舌の断片と仕込まれた糸を惜しんだ。ヴォルタールの絞首は知恵に他ならない。しかし、既に埋没された宮廷は“肉飼いたれ”以上の意味を持たない。数多の血肉の淘汰はここで語るには忍びなく、不可能なことだ。たとえ彼の拷問の旅が終えた後であったとしても。
たとえそれが彼の師であったとしても。
「何をしているのだ、」彼の王座は静かに問う。「ナドックス?」
彼のものが声を荒らげると、大使の繃帯の下に肉が這いずるのを悟った。その名は懐かしき肉と共に削ぎ落とされたはずだ。神の形をした穴は、今やアディトゥムの真髄をも見透かす。そしてクラヴィガルは、我が身を吊られたが如く、彼のものを未だに動かせずにいる。
GW5 King-Crab373 Fireflyer four Borreto KABOOM1167×2 Matcha tiramisu Tutu-sh SealBaby-V×2 hallwayman Ainari Childream Sodyum
「困ったなぁ」「まぁ、ここで一句…」
彼、昆 一郎は困っていました。というのも、一郎はあの有名な朝の番組、「今日の日ニュース」の火曜日のミニコーナー、「君は俳人」で俳句をおひろめする事になっていたというのに、珍しくスランプになっていたからです。
一郎は大好きなマグロ寿司を食べた時とか、ちょっとした喧嘩の言い訳とか、とにかく事あるたびに俳句を詠んでいるので、色んな運命が回って今度の「君は俳人」に生出演する事になっていました。
今日は火曜日、来週が一郎の出演日です。一郎は特にすることも無いので、テレビを付けて今日の「君は俳人」を見てみました。すると自分よりも若そうな丸眼鏡が素晴らしい俳句を詠んでいます。一郎は体格に恵まれなかったので自分が産んだ俳句の価値を自分自身の価値として見て、自分に価値づけをしていました。なので自分が詠めないというのに目の前で披露されて、涙がぼろぼろ零れ落ちました。というのはウソです。涙はぼろぼろとなんて出ません。じわじわと出ます。とにかく一郎は悔しくて悔しくて堪りませんでした。
一郎は何としてでも、己に誓い俳句を詠まねばと決心したのです。そこで少し昔の日課の散歩に出る事にしました。今日はイチョウロードを通ります。イチョウとは言ってもギンナン臭いので実際のところ、ギンナンロードと言っても良いかもしれません。
一郎はギンナンの臭いにやられながら時々落ちてくるイチョウの葉っぱをぼんやり見ていたら、とても良い俳句のアイデアが浮かびました。きっとイチョウだけじゃなく散歩のお陰でもあるでしょう。
忘れ日々 時に悩んで また戻る
いつもの俳句よりは良くないですが一郎は満足しました。
sakapon R-suika×5 Tobisiro KcammmLi GW5 Tutu-sh teruteru_5 Childream Touyou Funky SealBaby-V
突然だが、トロッコ問題というものをご存知だろうか?
『線路を走っていたトロッコの制御が不能になった。このままでは前方で作業中だった5人が猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまう。』
というトラブルに対して
『この時たまたまA氏は線路の分岐器(ポイント)のすぐ側にいた。A氏がトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。しかしその別路線でもB氏が1人で作業しており、5人の代わりにB氏がトロッコに轢かれて確実に死ぬ。A氏はトロッコを別路線に引き込むべきか?』
ということを問う思考実験だ。
要するにどちらかを犠牲にし、どちらかを助けることが許されることなのか?、どちらを助けるべきなのか?というやつだ。財団の職員を続けていると、嫌でもその問題に直面することがある。
例としてオブジェクトとDクラス職員。時と場合にもよるが、比較的判断は容易だろう。しかし、どちらも我々と同じ立場の人間なら?例えば2人とも君の同僚だとしたらどうだろうか?大抵の場合、判断力が鈍ってしまうことだろう。その判断力の遅れが原因で大惨事に繋がってしまう。そのような可能性は財団の職務上、常に存在するのだ。
このような事態を防ぐため我々は時に残酷な選択をしなければならない。それを非情と言う者もいるだろう。もし、私がどちらかとして選ばれた時、決断すべき人物に何の躊躇を、罪悪感を抱かせぬようにするため今日も私は非情に分岐器のレバーを握る決断する
その時は頼んだ
Matcha tiramisu hallwayman Cocolate KABOOM1167 Touyou Funky×2 King-Crab373 Tutu-sh makigeneko teruteru_5 Sodyum sakapon Tobisiro MikuKaneko
「遅えんだよ馬鹿!」
教室に飛び込むなりぶつけられた怒号に、私は思わず身を竦める。声の主である希美ちゃんはつかつかと歩いて来て、私の手からペットボトルと菓子パンをひったくるとさっさと戻って行った。
「あの、お金」
口の中でもごもごと呟く。希美ちゃんが聞いてる筈も払ってくれる訳もないのに。
「あ、そうだ」
唐突に希美ちゃんは足を止めた。一瞬浮かんだ私の期待は、続く一言で簡単に打ち砕かれる。
「明日3万ね。忘れないでよ」
目の前がぐらっと歪んだ。最後に「お小遣い」を要求されたのは、まだ3日前のことなのに。クラスの談笑に加わる彼女を遠目に見ながら、蹌踉めく足取りで教室を後にした。
「トロ臭えんだよ、のろま!」
夕方から入ったバイト先で、2つ下の後輩をそう叱り付けた。びくっと肩を震わせた後輩は、怯えた目で私を見遣る。
学校での溜飲をバイト中に下げるのが日課になったのはいつからだっけ。典型的フェミニストの店長は私の顔と身体つきが好きだから、ヒラバイトの私が多少横柄にしていても何も言って来ない。ここが、ここだけが私のお城。
「ああ、そうそう」
説教が終わったと勝手に思って表に戻ろうとする彼女を呼び止める。
「ちょっと今お小遣いが足りなくてさぁ、5万ばかり貸して来んない?」
「え」の形に口を開いた間抜けな顔に、私も思わず口角を上げた。こいつ仕事は出来ない癖に良い所の生まれなんだよな。
後輩は素直に、でもおずおずとした動きで財布を取り出す。
お札を不器用に一枚一枚数えるその目尻は、希美ちゃんとよく似ていた。
hallwayman leaflet sakapon×2 ashimine teruteru_5 Fireflyer×2 rokurouru×2 Tutu-sh GW5 Childream Ainari
毎日の残業、高学歴で正社員の上司達による罵倒。
割り切っている。
片親だから。
体を壊した母さんを養うと決めたから。
自己責任だ。
街中を見渡せばより酷いのはごまんと溢れている。
でも一念発起で、ラジオアプリでニュースや英会話の番組を聴く。
仕事の合間、気分転換の為に聞くラジオだけが唯一の安らぎだった。
「ーしかし彼らは同じ人間だと見なしていない。「大学に行かない・行けない人たちは人間ではない」と貧困に喘ぐ人々をモノ扱いしー」
いきなりスマホが取り上げられ、音がフロアに響く。
見下ろしてくる上司のにやけた顔。
「おい、さっさと仕事終わらせろよ。グズがそんな片手間でやれる訳ねぇだろ?」
見せつけるかのように、私のスマホは落とされ、踏みつけられる。
呆気ない音をたて、静かになる。
ぼやける視界の中。
「そう
今こそ行動に出るときだ」
壊れたはずのスマホから流れる。
私は体当たりし、上司はデスクに頭を打ったのか、動かなくなる。
急に外から騒音が慌ただしく鳴り響く。
「我々の社会は転換期にある
今こうして聞いているリスナーの中にも
恵まれている奴らに人間と見られていない者
モノ扱いされている者……」
外からは大勢の悲鳴。私は馬乗りになり、手にしたペンを目に突き刺す。
「そう 君達ならできる!
今だ やれ!」
フロアから出て辺りを見渡すと一面に真っ赤に燃える道路・建物・オレンジ色の空
そして
派遣の同僚に
掃除のおばさん
配達のお兄さん
皆、身体中べたつかせながら自分達を見下していたモノを潰し割り溢れさせていた
それでも、汚れながらも口を曲げ、私もつられて破顔っていた
それから気分転換のラジオと共に、私は人生を台無しにした女をモノにする為に帰路に着く
Childream Matcha tiramisu Cocolate×4 MemoryLapse makigeneko r-suika×2 Tutu-sh Ainari Touyou Funky×2 Copperstatues
黄金の中に少女は在った。名前も知らない花たちに語りかけていた。
静かな黄金に身を包み、花園の中でただ一人。
永久に黄金が続けばいいと、そう思っていた。
雷の降る夜のことだった。花園は、望まれない黒い来訪者に踏みにじられ散った。
惨状の轟音に目を覚ました少女は、黒ずんだ景色のその華やかさを美しいと思ってしまった。
彼女が知っていた世界の全ては、新たなる眩さと変換された。
雨の降る中、少女の足元は濡れていただろうか。
黒い方舟より降り立ったその少年は、花びらの散る楽園にその深い青の目を向けた。
そこにあったものが無に帰し、新たなる美しさが光を照らす。既に何十回も見た光景だった。
時の経つにつれそれは形を変え、何度も変革をもたらした。
花々が虚に還るその過程さえも全てが、少年の目には心躍らせるものだった。
しかしその時だけは、その蒼は深い哀しみをはっきりと映し出していた。
壊された楽園に揺れる黄金を、なによりも美しく思ってしまったから。
目の前に、一輪の黄金の花が差し出された。
朝露に濡れていた。
rokurouru×7 teruteru_5 KABOOM1167 Matcha tiramisu Tutu-sh×2 r-suika Copperstatues sakapon
昨日、眼鏡を変えた。
久しぶりに変えてみると、色々な事が変わる。燻んだレンズから解放された世界は、思っていたよりも美しい物だ。小走りで道路を駆けている今もそれは変わらない。例えば枯れかけの枝木に垂れ下がっている、今にも落ちそうな木の葉一枚。その葉っぱでさえ、繊細な色彩を持っていた。視力の良い人々が当たり前に享受している光景に周回遅れでテンションが上がる。スマホを覗く。時刻は6時38分。ギリギリだけど間に合った。待ち合わせ場所の地面を踏み締める。
顔を上げた。
あぁ。そうだ。眼鏡を変えて、1番衝撃を受けた物。美しく焼ける空が、頭上の果てに広がっている。ずっと私達を見下ろしている広大な空白が、こんなにも美しいだなんて思ってもいなかった。今でははっきりと鮮明に見える。地平線にかけて紺色と混ざり合う紅色も。山の向こうで尊大に構える入道雲も。頭上に優しく差している、柔らかな朝日も。
その全てを塗り潰す、無数のミサイルの閃光も。
……いつから、世界はこうなってしまったんだろう。いつも私達の知り得ない所で全ては進み、世界は破壊されていく。そこに私達が介入する余地は無い。世界の終わりの時でさえ、私達は傍観者だ。
気配。君の足音。そのボロボロの靴が鳴らす間抜けな音は、視界が鮮明になっても何一つ変わらない。振り返って目を合わせる。こんな終末の中で子供のように煌めく、どうしようもない君の瞳が、私の瞳に反射していた。爆風が髪を靡かせる。レンズの向こう、静かに笑う君の顔を見て、意地らしくはにかんでみせた。
「最近、スキンケアをサボったんじゃない?」
優勝特典
KABOOM1167 does not match any existing user nameさんからの批評貰い放題!!!




