蛮族700字文体シャッフル・リフレッシュ!1
優勝: Kiygr (的中 11)
テーマ: 自由2
投稿期間: 06月08日(木) 00:00 ~ 06月10日(土) 23:59
予想期間: 06月11日(日) 00:00 ~ 06月13日(火) 23:59
解答発表: 06月14日 12時ごろを予定
参加方法: ocamiのDiscordのDMに作品を送ってください。
文体シャッフルって?
みんなで匿名で文書いて、それを誰が書いたか当てる企画です!
参加資格
Discordサーバー「21, 22職員鯖」に参加している。
ルール
締切は守ってください。集計が終わるまでは許します。
一作あたりの文字数は700字までです。
テーマは守ってください。3
著者予想は鯖外からも広く受け付けています。
ルールは遵守してください。
Burnin_A_GoGo
---
著者ページ
hallwayman
---
著者ページ
Kajikimaguro
---
著者ページ
Matcha tiramisu
---
著者ページ
namamugitya
---
著者ページ
SCPopepape
---
著者ページ
teruteru_5
---
著者ページ
SealBaby-V
---
著者ページ
投票締め切り: 6月13日 23:59まで
以下のGoogle Formに必要事項を記入の上送信してください
https://docs.google.com/forms/d/1AJDNtG6ntlhOhD1mUbgQcieSwv43S1q2OhaSJlJO3tk/
追加ルール: 今回の文体では700文字を越える事を認める。
作者: Kajikimaguro
票数: Kajikimaguro×5, Matcha tiramisu×2, SealBaby-V
うわ認められちゃったよ、どうすんだよこれ
「人間は自由の刑に処されている」フランスの思想家サルトルの文言だ。
それはそうとサルトルって他になんかしてるのかな…と言うことで調べてみました!なんか片目が見えなかったり高等中学校で教鞭取ってたり第二次セカタで招集されて捕虜になって釈放されて対ドイツ抵抗組織立ち上げて特に目立った成果も上げなくて雑誌での発言で注目されたらしいね!こっからも色々やってるみたいだけど面倒だし切り上げるね!いかがでしたか?
ちなみに「自由は屈従である」と言う言葉もあるらしいわね。1人だけだと失敗とか敗北にボコされるけど人間集合体になったらチョーすげーパネェ可能性持った全能の神になれるって考え方だって。
しかし、「うわべのみの自由の名によって、自由を粉砕することはまったく容易である。」というインドの思想家、タゴールさんも言うておる。集団ってすーぐどっか腐ったり壊れちゃうのよね、それに対して江戸幕府はすごいね、自由を制限して何百年も続いてたもの。
「人間は生まれながらにして自由である。しかし、いたるところで鎖につながれている。自分こそが主人だと思っている人も、実は奴隷であることに変わりはない。」こっちは皆んなが知ってるルソたんの文言だね、そこら辺4つの文言を融合召喚すると人間は元来自由だけど意識的/無意識的に集団意識に統合され究極キメラ(国家とか云々)になってるわけだね。で、偶に癌(革命とか云々)でお亡くなりするってことね。
おっと、すまーとふぉんの充電が切れかけております。危ない。そういえば最近は水素発電とか躍起になってるけどインフラ整備云々であまり普及しなさそうだよね。出来ることなら普及して良い感じになんか良い風になって欲しいけど無理だろうなぁ…若者頑張って…明るい未来が見たいよ…
はい、俳句を読みます。
自由とは
想ふものより
広いもの
目標持ちて
道未知を照らそふ
-
- _
ゲストさん、回れ右!
実はユナァイティッドゥステェイッ!産じゃなくて仏産だったりする自由の女神についても言及しようとしたけど特に思いつかなかったよ。
こっちは自由のケバブ
-
- _
…..⇒ . @自由民種主義の名の下に自由にご飯を!が さんか した! きみも しそうを きょうゆうしよう!
自由協賛主義の名の下に広告削減を! 今日 12:00
や! @自由民種主義の名の下に自由にご飯を!
こちらを確認して!
おまえにもかぞくがいるだろう 紀元前4000年前 12:00
我らが日本では基本的に言論は自由ですが次の事は肝に銘じてください。日本って言う究極キメラすごいんだぜ!普通に不謹慎でも怒られるだけで済んじまう!
それでも自らの行いには責任と節度を、そうでなくては大多数の自由は守られず、必然的にあなたの自由も束縛されてしまうのですから。ジユウッテタノシイネ
作者: SealBaby-V
票数: SealBaby-V×2, namamugitya×3, Fireflyer×2, teruteru_5
「"自由"というテーマで作文を書いてみましょう!」
先生は作文用の原稿用紙を2枚ずつ配ると大きな声で言った。
私の小学校ではよく作文を書かされる。
テーマは毎回違っていて、「走」「花」「空」などがあった。
「何を書いてもいいわけじゃないですからね!期限は2日後です!」
だいたい原稿用紙1枚半程埋めれば大丈夫だ。再提出になることはない。
タイトルは「自由」名前と番号を書き、本文に取り掛かる。
わたしにとって「自由」は、
ここまで書いて鉛筆を持つ手が止まる。
自由ってなんだろうか。
好き勝手に遊べること?沢山食べること?一日中寝ること?
自由と願望は少し違う気がする。
じゃあ自由ってなんなんだろう。
(初めってどう書いたの?)
(適当に書いちゃった。)
別の席の人達がひそひそと会話を始めている。
それにつられて他の人たちも話始める。少しづつ声を出す人が多くなり騒がしくなる。
「愛ちゃん。」
隣の席の人が会話の波に紛れて話しかけてくる。
「これ可愛くない?」
彼女は紙に大きな落書きをしていた。グリッドが重なって少し見にくいが、よく見ると羊の絵が描いてあった。
「可愛いね。」
適当にあしらう。正直可愛くなかったし、そんなことしてる場合じゃない。
でも、少しづつ分かってきた。自由とはルールにとらわれないことだ。
作文は適当に書いてはいけない。教室では静かにしないといけない。落書きをしてはならない。
こういうルールに縛られないことこそが自由なんだ。
カバンの中から習字セットを取り出し、紙を縦に向ける。
1枚目には「自」、2枚目には「由」と大きく書き、先生に提出する。
「これが私の自由です。」
先生は笑顔で言った。
「再提出。」
作者: teruteru_5
票数: teruteru_5×3, Sodyum×2, namamugitya, Tobisiro, ocami
「なあ、これに調味料入れまくったらどうなると思う?」
都内某所、中華料理店の一角にて。テーブル席に座っている一人の男───僕の友人が呟いた。友人は箸で白米の入った茶碗を指さしている。その様子を眺めながら、僕は一言発した。
「まあ、いいんじゃね? 不味いなんてことはないと思うけど」
「だよな。てことで今からやってみようと思うわ」
そう言って、茶碗の中に様々な調味料───醤油や酢、胡椒やラー油など───を適量足していく。白かった米が適度に茶色がかった色へと変化していく。茶碗から立っている湯気と共に、混ざり合った調味料の匂いが漂う。
見た目からしても香りからしても、これは間違いなく美味いだろ。友人の茶碗を眺めながら、思わず生唾を飲み込む。調味料でコーティングされた米の一粒一粒が、自らを食べてほしそうに輝いている。
「そんじゃ、出来たことだし早速食ってみるかあ」
「食レポ頼むぞ」
箸で掬われた米粒が友人の口へと入っていく。期待にあふれた表情で友人が米粒を咀嚼し、飲み込む。どんな味なのだろうか。湧き出る疑問を友人にぶつける。
「どう? 美味い?」
「……なんていうかなあ」
「なんていうか?」
言葉を反芻する。友人の顔を見ると、明らかに不味いものを食った時の顔をしている。そうして少し経った頃、友人は言葉を発した。
「なんていうか、めちゃくちゃ微妙な味だね」
「微妙なん?」
「調味料と米粒が絶妙にマッチしてない感じ」
そう言って友人は箸を起き、コップに入っていた水を流し込んだ。
冗談です
作者: kihaku
票数: kihaku, SealBaby-V, SCPopepape, Sodyum, namamugitya, Cocolate, ocami, Matcha tiramisu
道端で親子を見た。玄関の前で、親が子供を諭しているようだった。どうやら親は祖父母の家に遊びに行こうとしているらしい。子供がイヤイヤと渋ると親は
「行きたくないの? じゃあ家で留守番する? お母さん達夜まで帰ってこないけどそれでもいいの? ご飯用意できないよ?」
と聞く。すると父親が
「行きたくないならいいよ。でもおじいちゃんおばあちゃんが悲しむんじゃないかなぁ」
と言って諭した。子供は少し渋りながらも行くことを決めたようだった。
スーパーで姉妹を見た。姉は行きたい場所があるが、妹は早く帰りたいようだった。妹が姉に文句を言うと、姉は
「いいから黙ってきて!」
と、妹の主張を聞かずに引きずっていった。
さて、見かけ上どちらが健全だろうか。この質問をしている時点で答えは一般的なものとは違うと勘ぐるかもしれないが、事態はそんなに単純ではない。
単純に見れば、子供に選択肢を与えた親の方が自由を与えているように感じる。しかしこのコミュニケーションに精神的自由は存在しない。「行く」と言わせるように仕向けているからだ。
姉妹の方はどうだろう。一見すると姉が妹の主張を通さず、完全に姉天下の構図に見える。これは実際その通りだ。しかし、妹は心の中で「本当は行きたくなかったのに無理やり連れてかれた」と考えることのできる余地を得たのである。自らの意見を持った状態で誰かのせいにできる状況こそ、本当の自由である。さも当然のように皆が行なっている、誰々が悲しむ、怒る、困ると言った例を出して意見を自分側に誘導する行いは、実はとても束縛的な行動なのだ。
だからこそ、私は行動に気をつけ、相手が何を言おうと問答無用で引きずっていこうと思う。
作者: Cocolate
票数: Cocolate×7, Sodyum
「……君の犬のことは、残念だったね。」
そう彼が告げる。
顔は溶けた名残夢のように口惜しく、沈痛だ。
しかし、辛い表情をしていても、彼の気持ちは読み取れなかった。
「彼への献花さ。待雪草。花言葉は」
「希望と、慰め。」
言葉は目を瞑って見た澄んだ空のようだ。
僕には、要らなかった。
明けぬ星のない小夜と青空は決して相容れない。
「そうさ。よく知っているな。」
その声に含まれた感情には気づきたくないような気がした。
十字架の前で眠るように目を閉じて手を組む彼が綺麗だ。
雪の雫を煮込んだような真白な肌。
一等星だけで紡いだ、とびきりの刺繍のような金髪。
今は閉じられている、化粧桜と胡蝶草の硝子細工で作られたような眼球。
まるで天使のような美しさを持って、彼は僕にだけ嘲るように笑うのだ。
「待雪草の花は、可憐で儚い。春を告げる、優しい花だ。……しかし。いつも下を向いて咲く。君にはそうあって欲しくないんだ。君は……気ままに笑ってればそれで良い。」
肺が痛みに拡がる。視界は滲んで狭窄していく。
体が感情的に動き、彼の胸ぐらを掴んで離さない。
「君は……僕にどうあってほしいんだ!僕の犬だって現実には君に……!僕は知ってる。待雪草の本当の花言葉を!」
無言のまま、一点貫いてくる彼の視線に、息をすることを思い出す。
「ごめん。ありがとう……。」
不透明に綻んだ笑顔が、見えた。
堪えられなかった笑いを吐露する。
「ほんとうに馬鹿な奴だ。」
お前の自由なんてすぐ奪ってやるから、スープの一滴だって目の前に出させてやらないようにしてやるまで。
そう続けるのを喉のすぐそばで留めることには苦労した。嫌いなんだ。お前が。
「僕は、そうさ。」
「お前の死を願う。」
作者: hallwayman
票数: hallwayman×6, namamugitya, kihaku
「かの福沢諭吉先生はこう仰られた、「自由とは「他人に与えられたものではない『自ら』を、『行動の由』とすること」であると。」
上の空で耳に流れる。
パソコンのモニターに隠れて戯言を囀る。
流れる言の葉を無視して。
何故ならばそんなのは綺麗事、上っ面だからである。
とどのつまり。
人は自分で努力した、選択した、自由になった、と思い込んでいるだけ。
生まれた地域と階級と周りの環境によってその一生が決まるからだ。それが真理。
「実力も運のうち」なりだ。
周りに流される他ない。
常に惰性。
ふとツイートが届く。
フォローをしている他大の研究者の方のだ。
無論、講義で利用するのに便利だからだ。それだけだ。
内容を見る。
「今夏期の文化人類学のフィールドワーク募集」
「学部・院生にTA募集中」
ふと魔が差した。
「今、学部生で経験は浅いんですが、大丈夫ですか?」
返信。
着信。
「全然いいよ。寧ろ積極的に。」
やはり異常にフランク。
また着信。
「やるべきこととやんなきゃいけないこととか、まあまあ山積みになるだろうけど。」
面倒に思う。
三度着信。
「でも、それって勢いよく飛び込んでみたら楽しい、になるよね?」
何かが外れる。
何故か指が止まらない。
訝しむ。
私よ、何故険しい道を選ぶ?
身の丈に合わない。断ればいい。
人を教える立場じゃない。
況んや、研究者なんて。
結局、私は夏に実地調査に行くことを選んだ。
後悔することを承知でだ。
ただ。
ただ今は気分が、良い。
錘が取れた気分だ。
こっちは「自由は不自由の中にあり」ということか?
「ねぇ兄ちゃん?」
「なんだよお前急に」
「いやさ赤羽ってあるじゃんか」
「あるね」
「あと上野のアメ横ってあるよね」
「あるぞ」
「あと浅草も」
「あるけどお前街の名前挙げてるだけだろ何言いたいん?」
「いや自由だなって」
「は?自由って何が?」
「ん、そこにいる人たちが」
「どうしたいきなり」
「昼間からお酒飲めてていいな、自由やなって」
「そりゃ自由じゃなくて大半は何もすることなくてお酒飲んでるだけだ自惚れんな」
「わぁあ、すごい偏見」
「アイツらはな、自分の情けない人生を誤魔化すために酒に頼ってんの。いい年したおっさんおばさんが情けねぇの。収入があるかどうか分からんぞやつら。どうせ年金で貰った金を酒とタバコで無駄にしてんだよ。俺の金なのにすげぇ腹立つわ」
「わぁあ、やべぇ発言」
「んだよ、事実だろ」
「ところでなんだけど、そんなイラついてるお兄ちゃんは何やってるの、平日の昼間に」
「いや、いやいやいや。じゃあお前こそだろ」
「私は今日ゼミなかったからいいのよ」
「お前さ、俺が退学したの知ってて言ってんだよな?お前、アイツらさえいなかったから俺がこんな目に逢うことなんてなかったんだぞ!」
「それもう何年言ってるん?あ、いっそのことさ、今度昼間から飲みに行く?」
「お前舐めんなよ。なんで底辺みたいなことやらせようとしてんだよ。俺はアルバイトとか就活とかで忙しいんだ、あっちいけよまったく」
「はぁぁぁぁ」
「お前さっきから何なんだようっせぇな」
「あのね、ん〜、まぁ言っちゃった方が気持ちいいか」
「少なくともんなことで目くじら立ててるあんたは不自由だよって」
作者: Burnin_A_GoGo
票数: Burnin_A_GoGo×7, Kajikimaguro
環境は往々にして意図せず変転する。旧友の言を想起した時点は余りに遅く、何も察知しないまま今日を甘受していた。
「君を留め置く理由を失った」
左手が指示す扉は既に開放されている。不安定な水音は絶え間なく鼓膜へ振動を与え続けていた。雨傘の一本も寄越さない視線は焦点を定めず、此方が凝視を続けても終に揺らぐことは無い。
「──どういう意味ですか」
絞り出した稚拙な質問に対して同様の宣言が繰返され、漸く言葉の誇張や虚偽を否定した。無責任を咎める口は本能に噤まれる。出力された要素は吐息以上の意味を有さず、単純に首肯する以外の選択肢は排除されたと直感していた。
平衡感覚の危うい両足で扉に迫り、数年前と様相を変えず鎮座する下足に嘔気を催す。幼さを強く噴出させる靴は私を全方面から締め付けた。骨格まで拘束される感覚に意図せず過去を重ねる。覗いた掌の切傷は薄く、拉致に際する唯一の痕跡は無に等しい。間もなく私は四年来の寒気に撫でられていた。遠目に見上げた建物は酷く惨めな様相を呈している。
轟音と共に走り去る排煙が味蕾を穿ち、足許へ粗いコンクリートが流れる。展開された街並みは視界の端まで私の知らない光景で、否応無しに映り込む奇妙な色彩の広告が目に痛い。淀んだ外気は私の思考を酷く阻害し、何処か他人事に似た認識に緩やかな笑みを零していた。伸びきった頭髪を滲ませる霧雨は徐々に圧力を増している。
とびしろとしゅめの終わらない関係
作者: Tobisiro
票数: Tobisiro×5, SealBaby-V, Fireflyer, Sodyum
しゅめ、ピクニックの時間だよ。ととびしろはリュックを背負って呼びかける。ぱっちりとした目が特徴的なしゅめは、しゅめ、と返事をするととびしろに着いていく。とびしろはしゅめと共に家を出ると、近所の自然公園へ向かった。
「やっぱ春はピクニック日和しゅめ~、桜の花はいつ見ても綺麗しゅめ」
「そうだね。とびしろも結構好きだよ」
とびしろの桜色をした髪がやわらかな風に吹かれて揺れる。遠くをぼうっと眺め、持ってきたあまり美味しそうな出来ではないパンケーキに手を付けないとびしろに、しゅめは何か違和感を持っていた。
「とびしろ、一体どうしたしゅめ?インドア派のとびしろがピクニックなんておかしいしゅめ」
とびしろはそうだね、と答えると、古代紫の目でしゅめの黒塗りの目を見つめる。
「しゅめちゃん、君を私の眷属として召喚して、何年たったっけ。そろそろ自由にしてあげようかなと思うんだよね」
「も、もしかして、リストラしゅめ!?」
とびしろは携帯端末を取り出すと、しゅめに契約画面を見せた。しゅめがはじめて見るものだった。
「いや、君はウル第三王朝時代の生きた伝説としてしかるべき所で暮らすべきかなって思ってね。毎日めんどくさい奴と一緒で大変だったでしょ。君とヤれなかったことは心残りだけど」
しゅめが止めるよりも早く、とびしろは契約解除のボタンを押した。
「さあ、しゅめは自由だよ。行きな」
しゅめは動かない。ただとびしろの隣に座り、生焼けのパンケーキを頬張るだけだった。とびしろが嬉しさのあまり涙を流すのにも気付かずに。
作者: Sodyum
票数: Matcha tiramisu×4, teruteru_5, Kajikimaguro, hallwayman, SCPopepape
眩しさに 咳をしても一人 そんな夢を見る
目を覚ませば、見慣れたクリーム色の壁が目に入る。頭上の時計を見ると、6時37分。通常通りの早起きだ。と、思うと同時に腕時計が振動する。画面に表示されたおすすめは…ああ、棚には食パンが残っていた。ペーストを塗り、食べる。
ふと思い出し、散歩をしてみる。仕事のストレスを発散するのにと、昨日おすすめされた。提示されたルートに沿って川の脇を歩く。ちょうど喉が渇いた頃に、自販機を発見した。腕時計が振動したあと、自販機の開口部が淡く発光する。吐き出されたペットボトルを眺めてみる。見たこともないパッケージだったが、躊躇なく口に入れる。彼らのおすすめは完璧だからだ。水分が染み渡る。
就寝前、荷物を示すベルが鳴る。すぐに玄関に赴き、箱を受け取る。軽い。先日勧められ購入した組立机に置き、カッターで開ける。おおよそ球形でオレンジの睡眠用ランプだった。すぐにデザインを気に入り、購入を確定する。今日はこれをつけて寝るとしよう。
「HVS BSJSF SBRWBU RIGY GVOZZ DFOWGS HVS BSK ZWUVH.
TFSS TFCA ZOPSZZWBU, KVC KCIZR CPXSQH IG TFCA PSWBU OAPWHWCIG?
CB HVS KCFZR CIH CT WAOUWBS, CIH CT ZOK, CIH CT QCBHWBIWHM.
HFOJSZSF, AOM HVS TFSSRCA PS KWHV MCI.」
なあ、聞いてくれよ。
最期だってのにごつい男の話を聞くのは嫌だって?…そうだよな。俺だってそう思う。
俺たちは勝ったらしいんだ。…知ったこっちゃないよな。だって俺たちは誰にも知られないんだ。
自分が英雄になろうって、本気で思ってたよ。俺も、お前も。
結局ダメなんだ。それでもまだ選べるってんだから、人生なんてそんなもんだって思うんだよ。
選択が悪かったのか?教えてくれよ。俺たちは間違ってなんて居なかったはずなのに。
…もう聞いちゃいないか。
じゃあな。
彼は今、息を潜めていた。一瞬の張りつめた光景である。前方には、熊。大の男2人分でさえ足りないその巨体を、1人と1匹は注視していた。
熊自身も、自分を狙う侵略者の存在に勘づいていた。向こうが仕掛けてくるのを待ち、好機を掴んで反撃する。そのつもりでいた。
束の間だけ、張り詰めた空気が振動する。それは風かもしれないし、大地のうねりかもしれなかった。しかし、相対する三者にそれは関係の無い事だった。猟師の靴が土を踏む音、それが先陣を斬る。つづいて、あらんかぎりの吠え声とともに猟犬は走り出す。勝利を確信し、しかし油断をせず彼はそれを追う。
こちらは風上。死は勢いをつけ迫ってくる。絶対的に不利な状況である。その恐怖から抜け出すため、熊は、その重厚な毛皮をものともせずに背を向けて走り出した。
その瞬間、時が止まる。否、留められる。
ーこれが、後のうしかい座である。
作者: Fireflyer
票数: Fireflyer×4, kihaku×3, hallwayman
宗谷自治管区はイルクーツク条約によって北海道に設置されたソ連の自治区である。ソ連側はラ・ペルーズ海峡の安全な航行を確保する為に自国軍を用いた統治を続けており、返還の目処は立っていない。また、宗谷解放戦線というテロ組織により稚内7月蜂起が発生しており、日本連邦軍とソ連軍の……
1963年7月14日20:22最終更新
深夜2:39。静かに寝室を出て、物置へ向かう。思えばいつだろうか、この自治管区に存在しないものを追い求め始めたのは。
1945年、私はまだ青年期だったあの年に私は稚内の港でT-54を見た。ソ連軍旗を見た。そして、存在しない正当性で塗りつぶされた屈辱的な歴史を見た。
倉庫の鍵を開け、「消火栓」と書かれたケースの中からライフルを一式、手榴弾を5個、取り出す。自爆用の爆薬も忘れずに腹に巻き付ける。
「ねえ。何してるの?」
気付かぬうちに少し騒がしくしただろうか。妻が物置のドアの前に立っている。明るい廊下から薄暗いこの場所に差し込む光は、痛い。
「時間が来ただけだ。起こしてすまない」
妻は手で白く柔らかい寝巻きを強く握り、少し震えた声で私を問うた。
「ねえ。1つだけ聞きたいのだけど、構わない?」
「ああ、もちろん。遺言になるかもしれないしな」
私はあくまでも落ち着いた声で返す。
「今の幸福をこのまま続けるよりも、将来のあるかも分からない自由を追い求める方が本当に大切なの?」
忙しなく動いていた私の手は止まった。わからない。何も。
私の手に涙が落つ。私は妻を抱き締め最後の懺悔をした。革命前夜。翌日に血が流れるとは思えない静けさの中、北の街は未だ眠っていた。
「ごめん、別れよ。」
私がファミレスで友人と真剣に話し合いをした後、LINEで打ち込んだメッセージは上記の通りであった。ざまあみやがれ。二度と顔見せんじゃねえぞ、クソ野郎。
私は1行目で別れたクズ彼氏に幾度となく暴力を振るわれていた。どうせ、その理由も部活内のストレスだとか、下らないものなんだろう。以前から別れたかったが、切り出すタイミングも無ければ、報復も怖かった。
先程メッセージの送信に協力してくれた友人に別れを告げると、私は商店街を通り、家に帰ることにした。本当はストレス発散のカラオケに行っても良かったのだが、帰って寝たい気分だ。
ふと、商店街の前を通ると服屋や喫茶店が目に入る。デートと称して私が連れていかれたところの1つだった。
暴力の後に泣き出すカスを思い出した。私が今着ている服を真剣に悩んでくれた男を思い出した。無責任な行為を何度も繰り返すバカを思い出した。私の財布の中にあるコーヒーチケットはまだ期限では無い。
解放はされたが、その前よりも心が苦しくなっていることに驚く。なぜ、こんなにも欲しかった破局が、私の汚点のように見えてしまうのだろうか。悪いのはあいつなのに。私はただ、ただ苦しんでいただけなのに。商店街を吹き荒れる春の嵐は青春の1ページを「別れよ」だけで済ますことを許していないのかもしれない。
私はLINEのブロックを解除し、「やっぱ、明日カフェモカでも飲んで話さない?ちゃんと考えたい」と送り直した。既読はまだ付かなかった。
作者: Tutu-sh
票数: TUtu-sh×7, SCPopepape
「良いかトミー。あんな娘と金輪際関わりを持つな。病気がうつる」
ステーキを切り始めてしばらく経った頃、ようやく本題に入る余裕ができた。頭を掻き乱して仕方の無かった憤りは、線維にナイフを入れて口へ運ぶうちに収まりがついてきた。ふと馬鹿息子の方を見れば、背後にきらと光る勲章が目に入る。先の大戦の名声だ。気味の良い食器の音と味わい深い極上の肉に加え、陛下から賜った栄誉は荒んだ心をほぐしてくれる。五感で満たされていく。
「ハンセン病だよ。伝染病じゃない」
「ほう。我が家にはお医者様が居たか」
黙ってしまった。冗談を飛ばしてやったのに、これだから出来の悪い息子を持つと困る。
「なあ。実際どうだか知らんが、世間体というものがある。ウチは名家だぞ。先祖代々ここらの土地を所有しとるし、爺さんは内務省事務次官。ワシは中将。ヒトラーを苦しめた英雄だぞ……」
喉を潤し、一息つく。
「それが何だ、ハンセン病?ろくな子供も産めん娘じゃ顔が立たん」
息子の手が止まった。
「アンタ、何をしたんだよ」
見れば、フォークを握る手に血管が浮き上がり、ナイフは強く皿へ押し付けられている。息子は堰を切ったような言葉の濁流を必死に抑えるようだった。
「何のためにファシズムと戦ったんだよ」
舌の跳動が止まらない。
「人生が全て決められる。国の人口を第一に掲げて、女は産む機械。価値ある子供を生めばそれで良い。そんな体制を覆すために、誰でも好きなことをできる世界のために、父さん。アンタは戦ったんじゃないのか?」
目の前が虚無に還る。この小僧は何が言いたい?
「父さんはナチと同じだよ」
息子は席を立った。壁に飾る金銀種々の勲章は軽薄なアルミのように見えた。
作者: namamugitya
票数: namamugitya, teruteru_5×3, ocami, SCPopepape, kihaku, Tobisiro
水溜まりの上を跳ねる雨水を眺める時間が多くなった気がする。
しかし今あるのは、もはや水溜まりとは呼べない大きさの小川と、傘の内側で聞こえる、風に掻き消された水滴の音。
マジックテープの靴を履いていた頃なら躊躇なく踏み入れたはずのそこを、出来る限り避けて歩く自分がいた。
帰ってから親に嫌な顔をされると分かっている上で傘をささすに下校したあの不埒さも、台風が来ると知っている上で外競技に参加する無謀さも、白い運動靴を泥水で汚し、次の日履く靴がなくて困る自分も、何をするにも否定から入る親の苦情も、もうない。
いつの間にか辺り一面が水溜まりと化している。さっさと帰ればよかった。
避けて通ることのできない道で、極力靴の中を浸水させないよう歩く自分がいた。
こんな道を知らなかった頃なら、凍った水溜まりをわざわざ踏みに行っただろう。
雨具を着ずに自転車に乗っただろう。親にいくら怒られても、奔放でいただろう。
傘を持つ手が、ズボンの裾がすっかり濡れている。傘が仕事を放棄したのだ。
もはやどれだけ慎重に歩いても靴が重くなる。体重をかける度、生暖かい温度が靴下に沁みてくる。
前後左右どこからでも雨が吹きつけてくる所為で、いよいよ傘がただの荷物と化した。
しかし、不思議と心は軽やかだった。
肌に張り付く服の感触も、折角直した癖っ毛の髪を振り回す暴風も、うざったくて仕方ない筈だが、
それら全てを諦めなければならない程の豪雨であれば、革靴だろうと水溜りの上を跳ね、傘の外側を見ようと思える。
濡れたスーツの重さを感じる時、眺めていただけの水溜まりを踏んだ時に限っては、ほんの少しだけ子供に、自由になれた気がした。
『不、不羇』
作者: Matcha tiramisu
票数: Matcha tiramisu×2, Tobisiro×2, SCPopepape×2, Tutu-sh, Sodyum
ミノルカブルーの水平線は、あの日の二人を追憶させる。
『わたし、結婚するの。』
砂浜で彼女からの4秒。そして、暫し沈黙。
良かったじゃない、私も嬉しいわ。
『島の、ソトの人なの。』
吹かれた白砂が、足元に点在する。
『もう二人では遊べないし、お父様お母様ともお別れだわ。』
彼女は泣いた。私は、成る丈彼女に寄り添う。
『お父様お母様が、勝手に決めた話なの』
『イヤ、わたしイヤよ。』
また、彼女は泣いた。波さえも、彼女の心までは近づけない。
『ねえ、わたしはあなたを忘れたくないわ。』
『わたしに、毎月手紙を送ってくださるかしら?』
もちろん、離れ離れになったって、ずっとずうっと友達よ。
この手紙が届く頃には、もうすっかり、梅雨が始まっている事でしょう。
小学生の頃だったか、ガマをあなたの手に乗せたのは、未だ申し訳なく思っています。
あなたが水平線の向こうに渡ってから、もう3年は経ったかしら。あなたは残酷ね。あれから毎月送った手紙、その何れもお返事してくださらない。
届いているか届いていないのか、その是非も私には解らない。
あなたが今幸せか、それだけでも良いから、私に聞かせてほしいの。
また、あなたと話す日を楽しみに待っています。愛をこめて。
ねえ、海さん。あの人が今幸せかどうか、私に教えてくださらない?
ミノルカブルーの水平線は、決して、何も言葉を発しない。
「ふん、莫迦げたことね。」
砂浜の上、彼女は泣いていた。
溢した涙の矛先は、海か、彼女自身か、或いは──
彼女はひたすらに泣いた。その流動は留まりを知らない。
やはり今日も、水平線はどこまでもどこまでも、はるか遠くまで私を焦らす。
夢
作者: SCPopepape
票数: SCPopepape×2, kihaku×2, Fireflyer, teruteru_5, Burnin_A_GoGo, Tobisiro
虚構と同様、真実もここには存在しない。
あなたが感じたことがすべてなのだ。
この世界に放たれたその瞬間から、創作物は自らの作り手の元から離れていくことを運命づけられている。自明なことだ。
たとえば、ここにひとつの物語があったとしよう。それに創作者が干渉できる範囲なんて、どんな道を辿るか、どんな表現で飾り立てるか、どんなふうに終わらせるか、そのくらいなのだ。解釈はすべて読者のものだ。想像するのは読者の権利だ。愛するかどうかも、委ねられている。
そんなこと、遥か昔からとうに理解っている。だから、悲しいわけではないのだけれど。
「君は自由だ。」
僕の輪郭を描いて書いて生きた男はひどく寂しそうな色を眼に浮かべながらそんなことを言って寄越したものだから、いつの日か死んでしまうあなたとその後もずっと存在し続けるだろう僕との差を、そのとき初めて意識した。
3日も冷蔵庫に入れっぱなしでどろどろになったクッキークリームのハーゲンダッツ。ほんのり味がする液体を、躊躇いもせずに喉へと流し込んだ。
死にたいわけでもないが、別に生きたいわけでもないらしい。最初から執着ごと手放してしまっているような君は、肉体を所有しているという意識すら希薄であるようだった。
希臘の神話において、夜の子供は概念の擬人化した存在だ。有翼で、下級の神。たとえば争い。死。眠り。苦悩。欺瞞。運命。そして、夢。
夢の群れは夜毎自在に飛翔し、虚と実とを眠りこける人々に振り撒いていた。
昔の話だ。神話伝説が大衆の認識に塗り替えられる現代において、夜を眠って過ごす人々は、モルフェウスの腕の中。
僕はあなたの祈りだった。
あなたの見果てた夢だった。
いまはもう違う。自由だけが与えられて、次の行き先に導く声はいなくなってしまった。
それが、すこし淋しい。
「空があんまりすてきに青いものだから、今日というこの日が永久に続くんじゃないかと思ってしまったの?」
「僕が言うのもなんだけど、現実にピントを合わせない限りは人生は失意の繰り返しだろうね。」
「明日からはまた牢の中だよ、現実を見てご覧。そしてこの幸福が束の間と認識して、精々いまを楽しむといい。」
「疲れた。」
「何に?」
「何でもできることに。」
「すこし、眠ろうか。」
「嫌だよ、眠れば夢をみる。僕にはそれは休息じゃない。」
「いいから。夢見を忘れるくらいの泥みたいな眠りで行こうぜ。」
「それが何。」
「お前は認識がすべてなんだろ。忘れられたなら、それはなかったのと同じになるんじゃないのか。」
「屁理屈。無が救いだって?」
「何もない、はいちばんの自由だろ。」
「詭弁だね。……おやすみ。」
映画の中で戯画化された知り合いたちを眺めていた。
彼らは往々にして、まったく別の存在に見えた。知っているよりもずっと奔放で、悲しいまでに単純だった。
僕のせいか。
人の姿を真似るのは得意だ。別人の顔に見せて、立居振る舞いを似せて、区別がつかなくなるほどに。あんまりやりすぎたものだから、元の自分が何なのか忘れてしまったことも一度あったっけ。自分を人間だと思い込んじゃってさ、30年くらい暮らしていたんだ。
いつか死ぬなら、あんなふうに全部忘れて別人として死ぬのもさ、悪くないんじゃないかと思ってる。すべての記憶を手放した僕はきっと、この世の誰より自由だろう。
「苦労するね、お互い。」
元・非存在が話している。認識をただ漂っているだけだったのに、詩人の夢を吸い込んで個と感情を得てしまった。
「ねえ、僕はまだ僕だと思う?」
「君はいつだって存在しなかったでしょう。」
「そっか。そうだよね。」
ゆらり、と髪の先が揺れる。どこか遠くを見つめている。哀れな奴。どうしようもないんだ。君も、私も。故郷がどこかに行ってしまったから、自由という嵐の中に放り出されている。
「地図でも探しに行ってみる?」
楡の木の下にかれは立っていた。夜闇が世界を覆い尽くしたあとのことだった。
背景の闇と同じ色をした髪が夜風に靡き、先ほどまでの夕焼けの空が瞳の中に浮かんでいた。
黒い翼をめいっぱい広げて、音もなく君は飛び去った。夜の子供はやはり、夜において最も自由だった。
「東風さん東風さん、人間のかたちは取れないの?」
「もう忘れたよ。」
「思い出させてあげようか?変身は得意なんだ。」
「遠慮する。」
「まあ、そう言わずにさ。昔は実体持ってたでしょ?」
「風に決まった形はない。」
「奇遇だね、お揃いだ。」
「風はいいよね、どこまでも吹いていけるから──」
「柄にもないことを言うな。」
「ねえ、世界の果てまで乗せてってよ。ちゃんと自分で飛ぶからさ」
何もしない一日を過ごしてみませんか?『何もしない』をする一日を。手の中の自由を感じて、それなのに何も選択しないやり方で、自由を冒涜しませんか?
作者: ocami
票数: ocami×4, SealBaby-V×3, Sodyum
人権宣言。奴隷解放宣言。日本国憲法……お世辞にも賢いとは言えない俺でもわかる。近代以降の人類は、自由のために戦っている。
だが、人類は、地球に縛られている。人類だけではない。地球上の"全て"が、地球に、つまり重力に縛られている。
「ああ、嘆かわしいぜ。ホロリと反吐が出る」
……だからきっと、俺がこの力を得たのは、『人類に自由を』なんて感じのカミサマとやらの思し召しなのだろう。
指を上に向ける。誰も見ていないし、意味など無いが。俺はカッコつけしいなのだ。
「Free for allってな」
都市の中身が、気取った言葉を巻き込み、空に落ちていった。
ネタ切れも
ネタにしてこそ
物書きと
うそぶく男
スパイダーマン
「やーい、サボり」
「ユキのせいでしょ」
「へへへ。パピコあげるから許して」
13時ちょうど。昼休みが終わり、5限が始まる時刻に、私とユキは、公園のベンチに座っていた。いつもは窮屈なだけの制服も、サボりという非日常の演出に一役買っている。
スカートが揺れるたびに訪れるそよ風の涼しさが、少しだけ心地よい。
「5限、なんだっけ」
「体育。バスケのはず」
「サボってよかったね」
「よくないよ」
よくないとは言ったが、確かに気分は良い。今頃、クラスメイト達は蒸し暑い体育館で2人分の穴を埋めようと話し合っているのだろうか。なんだか面白い。
「なんかさ、サボりって特別感無い?」
「わかる。でも、学校に行ってないとサボり感出ないよね」
「じゃあこれは、真面目な私たちへのご褒美だ」
真面目とは程遠いのに、とは口にしなかったが、それでも言わんとすることは伝わっていたらしい。平日の公園に2人分の笑い声が響いた。この暑さでバカになってしまったのだろうか。
「暑いねえ。夏休みが近いなって感じする」
「期末テストも近いよね」
「ぐう……ま、まあ、今くらい忘れちゃお?」
嫌そうな顔をして、すぐに話題を変えようとする。小学生の頃から変わらない、ユキの癖だ。
妙に子供っぽいこの動作は、特別可愛く見えるから、結構気に入ってる。
近くのゴミ箱にゴミを捨て、ユキに手を差し伸べる。
「そろそろ帰ろっか。空き教室で6限まで時間潰そう?」
「うわ、悪い子だ。最高」
来た時の逆再生のように手を繋いで、私たちは学校に足を向ける。
受験まで半年ちょっと。なんとなく、まだ頑張れる気がした。
優勝特典
Kajikimaguro氏及び
ocamiオマケへの批評依頼権4
HEY!主催!本家文体と被ったんだ。ちょっとくらい遅刻したって良くねえか?
うーん、それもそう!
ルール
書いたあなた自身が満足できる作品を送ってください。
こちらに投稿した作品は文体当ての対象にはなりません
とにかく"自由"を書きたい、ネタを供養したい。そんな人は主催のDMまでどうぞ〜
締切は6/15 22時くらいです。ここからずっと妖怪くんのターン!
![]() |
こんにちは、SCP-4231を読め妖怪くんです。こっちは偉大なるスキッピー先輩リスペクトの枠5! いやあ、妖怪くんがどうしてこんなとこに姿を現したかというとですね、 |
![]() |
まあ妖怪くん的にはこのまま放置してもいいんですが、そうすると某 と、いうわけで。この遅刻枠を借りて感想を話していこうと考えたわけです。存在自体が自由な妖怪くんの自由な感想。レギュを満たさないわけがない!複数投稿でこの形式が許されるのはNo.14の存在で証明されてますからね! |
![]() |
始める前に。 これ わねぇ、妖怪くんがぽぺぱぺに託された遺物。 本当はね、これのサビだけ無限ループする仕様にした音源が自動再生されるようにしたものを文体参加作に仕込んでおこうとしたらしいんだけどね、 |
![]() |
ぽぺの無念を汲む気概のある方は、再生しながら妖怪くんの話を聞いていくといいと思うよ。 忘れるところだった、これはライセンス表記。 ソース: https://youtu.be/K4xLi8IF1FM
ちなみに妖怪くんの故郷はパブドメ絵画です。 |
![]() |
ちなみに、スキッピー先輩リスペクトの構文はこちらです。 愚かなる蛮族共には見えませんかね?見えぬけれどもあるんだよ。 |
![]() |
と、まあ脱線はこの辺りにしておいて、そろそろ感想戦に入りましょうか。時間がだいぶ過ぎてしまっているので、普通にNo.1から順番にします。 |
![]() |
No.1
一点言うとするならば、基本的に安易なルビ構文アンチなので、道(未知)の心象はあまりよくなかったです。「みち」表記くらい濁してもよかったんじゃないかな。 このふざけ文体、なんか見覚えある気もするんですよね……でも、三点リーダ1個遣いってことは違うのかな。あゝ我ら三点リーダー過激派高校。 ページソースなに 「うわ認められちゃったよ、どうすんだよこれ」じゃねえよお前が始めた物語だろ |
![]() |
No.2これ実話って聞いたんですが本当ですか……? 自由 で一回 つまり再提出を迫ったのは先生という名の自分自身、あまり可愛くない羊の絵を描く散漫な隣の席の女子も自分自身、教室で騒ぐ群衆だって自分自身。これは壮大な自問自答、あなたの脳内の具現、そうであるならば妖怪くんはあなたがそこそこ好きですのでどうかマルコヴィッチの穴を観てくださいな!どうも! |
![]() |
No.3ドリンクバーでよく執り行われる闇鍋ドリンク錬成儀式・イン・中華料理屋!いや、TPO考えろよ。 雑が許される親密な雰囲気の会話がリアル。飯テロbyテキストがお上手。 おいしそうに見えるのにおいしくない。ジャンルを問わず、要素盛り盛りサムシングが陥ってしまいやすい事故ですね。ところでここにSCP-4231という記事がありますが、こちらは3要素程が交差する難解さを持ちながらも最後まで読ませる吸引力と無二の雰囲気作りが最大限発揮されている作品です。是非、食事のお供にでも。 |
![]() |
No.4なるほど正論!タイトルが効いてますね。 人間は自己正当化ができる生き物ですからね。「行きたくないならいいよ」、この世でいちばん意地の悪い言葉だと妖怪くんは思います。返答として「ごめんね、僕も行くよ」以外を想定していない傲慢さが見え透いている。その癖、それを指摘したって引き下がられるだけなんです。裏で姉の悪口を言って満たされる妹の方がよほど生きていて楽なのかも。 なんて、ちょっと暗い話になってきましたので心の清涼剤がてら4231のリンクを置いておきます。 |
![]() |
No.5ディオとジョナサン!!!!関係性の切り取り方がうつくしいですね。唯一無二のふたり。 詩的表現が上手い。「不透明に綻んだ笑顔」の歪さがたいへん好ましいと思います。 待雪草の花言葉は「希望」「慰め」「初恋のため息」「あなたの死を望みます」妖怪くんにはスノードロップの名で馴染み深い花でしたが、うん、花言葉を使ったオチとしてとても綺麗な締め方だと思います。文体当て勢ではない妖怪くんですが、このひとは分かりやすいね。愛の篭った視線がそのまま文章に結実したかのようだ。 |
![]() |
No.6疲れてきたので巻きで行きまーす。相方が不在だと虚空に向かって叫んでいるようでひどく空しさが募るばかりですとか言おうとしたんですが、そもそも妖怪くんと 脱線しました。No.6、まともな複数投稿者2人のうちの1人。自由と聞いて対義語である不自由を主軸に出してくる感性の方なんですね。文体当て勢ではない妖怪くんですが、このひとは題材当てが効くんじゃないのかなってぼんやりと思ったりしています。どうなんだろ。 |
![]() |
No.7暴力的なまでに突きつけられる漢語の羅列が本当に特徴的!一読しただけでは意味を取りかねる難解さもありますが、それを無視できる雰囲気の強さが勝っているように妖怪くんには思えますね。乾いた印象。自分には書けない文章を書くひとには羨望と憧憬を抱かざるを得ません。 靴の擬人化表現等、細かいところも良いですね。この文章で使われているカタカナ語、「コンクリート」しかないんですよ。本当に硬くて堅い。このひとの武器だと思います。 |
![]() |
No.8うおおおお友人のしゅめさんが出てきた。 でもって、なにこれ……? えっ、なにこれ…… マジでとびしゅめやるひとが蛮族にいるのかよ……そしてきちんとおもしろく書き切る気概は本当に尊敬して然るべきだとは思います……しゅめさん健気かわいそかわ……食べちゃいたい…… 余談ですが、今まで少年のあどけなさを纏う雰囲気だったしゅめさんの脳内CVが |
![]() |
No.9文体に暗号を出すな!!とキレながら解読しましたがただの単一字換字式暗号、しかもシーザーでしたね。もう少し気概を見せてくれると妖怪くんが7ポイントあげちゃう。 解読結果置くねー。
暗号と共にあらんことを。 |
![]() |
No.10まともな複数投稿者枠その2〜〜!!! 厭な男女関係が書きたかったのかな。1番目の男はきっと、妻のことを愛していないんでしょう。愛していない上で、自由の方がいまより大切かと問いかける妻のことを愛しく思っている。そして愚かしくも生きて、死ぬ。存在しないものを追いかけて捕まえられないまま消えるのがこのひとの人生の本質で、死んでしまったあとにこの晩の何百倍も涙をこぼす妻の姿なんて二度と見られない。革命なんて莫迦ですね。死ぬのも莫迦だ。 2番目は、DV彼氏。早く別れなよ。ひどく心配しているであろう友人の気持ちにもなれよ。 |
![]() |
No.11厭な父親ですね。 きっとこの父親が戦ったのは惰性。思想も何もなく、求められて自分に必要だったから戦ったんでしょう。盲目的従属は軍人にあるべき能力ですが、戦争が終わって仕舞えば用済みですね。 |
![]() |
No.12あめー!(感想文的な〆切が近づいてきたことからの逃避行動) 大人になるって厭なものですね。靴を水浸しにして、スーツがだめになるほどの豪雨でないと自由になれない雁字搦めのあなたに祝福を。初めも終わりも「気がした」で、自分がどう思うかがすべてなんですね。奔放さと自由とを全部どこかに落としてきてしまったんだから、せめて、雨の中だけは。 焦って謎にポエティカル妖怪くんの側面を発揮してしまったので次に行きます。 |
![]() |
No.13「ふ、ふき」 平仮名にすると蕗を落としてしまって焦っている子供のようですが、現実は田舎の島の悲恋百合。 漢字の使い方には妖怪くんと同じセンスのかほりを感じます。「分からない」より解らないだし「馬鹿」より「莫迦」ですよね。 手紙に返事をしない主人公、もう感情が捻じ曲がってしまって、再会しても二度と同じ関係にはならないんでしょう。それを自覚してしまったから今更返事を出すこともできず、ただ泣いているんでしょうか。空しいね。そして愚か。妖怪くんは愚かな人間を愛好しています。 |
![]() |
No.14blockquoteの見た目よ…… つながりが見えそうで見えない連作ですね。ルールのグレーゾーンを突いて遊んでる感じ。捉えどころがないところも夢らしい。律儀に「自由」のキーワードを全部に入れてるの、意地でもルールには従った上でこの形式を取るぞという熱意を感じますね。そこまで露骨にやらんでも。 |
![]() |
No.15うおおおおおラストーーーー!!!!!! ァァァァァァァァァァァァァ読んでた文章が飛んでったァァァァァァァァァァァァァ 全力で複数投稿をエンジョイしてる勢ですね。スパイダーマン、わけがわからん。2作かけてふざけ倒した上できちんと3作目にまともも投稿してることに逆に恐怖を感じます。人を殺すことしかできない狂人より、チャリティとかに積極的でピエロに扮して子供を喜ばせたりもする模範市民の殺人鬼の方が怖いのと同じ感覚。何だお前。 |
|
と、いうわけで終わりましたね。疲れた……悔しいですが1と8がおもしろかったです。他も結構好きなの多め。 それでは!妖怪くんのターンはエンドです! |





