700字文体シャッフル・ハッピーニューイヤー!
優勝: SuamaX(的中 20)
テーマ: 「愛執」!
文体シャッフルって?
みんなで匿名で文書いて、それを誰が書いたか当てる企画です!
参加資格
Discordサーバー「21, 22職員鯖」に参加している。
文がAI作ではない。
ルール
1人1作まで。
短歌1本などの作品は、他の参加者より圧倒的に良い作品なら許します。これは圧です。ただでさえ当てられないのにもっと酷いことになります。
著作があると当てやすいですが、無著作OK。ただ、いつか残しましょう。
aaasaan777
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著者ページ
Copperstatue does not match any existing user name
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著者ページ
Dr_rrrr_2919
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著者ページ
hallwayman
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著者ページ
Hoojiro_san
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著者ページ
Kajikimaguro
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著者ページ
kuromituzatou
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著者ページ
makigeneko
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著者ページ
MikuKaneko
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著者ページ
Musibu-wakaru
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著者ページ
Popepape does not match any existing user name
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著者ページ
SealBaby-V
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著者ページ
Syutaro Eji does not match any existing user name
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Eji 著者ページ
teruteru_5
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著者ページ
投票方法
以下のテンプレートに従って予想をし、FireflyerのDMに送ってください。TwitterでもDiscordでもWikidotのPMでも良いです。
No.1:
No.2:
No.3:
No.4:
・
・
・
著者まとめ
1, GW5
2, rokurouru
3, Kota-2
4, R-suika
5, DX-abc
6, kajikimaguro
7, shino_san
8, Tutu-sh
9, Hoojiro_san
10, kuromituzatou
11, Matcha tiramisu
12, Sodyum
13, ashimine
14, Fireflyer
15, kihaku
16, Popepape
17, CopperStatue
18, Musibu-wakaru
19, Cocolate
20, MikuKaneko
21, Syutaro Eji
22, Dr_rrrr_2919
23, teruteru_5
24, Tobisiro
25, SealBaby-V
26, leaflet
27, aaasaan777
28, hallwayman
29, makigeneko
GW5×4,Cocolate,Dr_rrrr_2919,Fireflyer,Hoojiro_san×2,leaflet,teruteru_5,Tutu-sh×6
いつ以来かな? こんな風に君の温もりを感じられるのは。ずっとずっと昔にも、同じような記憶がある。もうずっと昔で、でも今でも覚えている。俺には不要だから、不適格だから。もういっそ……全部忘れたい、とさえ思ったことすらあったけど、今だから分かる。忘れなくて良かったって。上書きされていく感触、体温、鼓動。泣きじゃくる君の肩。垂れた髪の房を崩さぬよう、ゆるりと下ろす。絡むことのないロングヘアーは、まるで流れる川のようだ。こうやって髪を梳くのも久しぶりだ。しがみつくなら、そのままで。顔が見れないけど、それでも良い。感じる。彼女がここにいると、リアルを感じられる重みが、嬉しい。代わりに涙を拭う。頬を伝う滴を指の腹で拭き取る。動作としては僅か数秒、疲れもしなければ、危険だってあるわけない。……それでも、俺には今の今まで出来なかった芸当だった。
身勝手で、意固地になって、過去に縛られてばかりいる。そんな俺に、君は眩しすぎた。他者を想い、優しく受け止め、いつだって前向きで……そして、ほわんほわんと笑ってくれる。高嶺の花だって。本気で思っていた。思い込もうとしていた。俺以外の誰か、もっと相応しい相手が、きっといる。必然、そう思いこんだ。思い込み……たかった。きっと楽になれるから。気持ちを足蹴にして、元来た道へ投げ捨ててしまえば踏ん切りがつく。この苦しみからも解放されるって、本気で信じていた。
でもそれは間違っていた。ふとした時に感じた温もり。また積み重ねた思い出の眩しさ。他愛ない会話で感じた胸の高鳴り。そして最後に抱き締められて、思い出した。
「君こそが、俺の……俺だけの《光》だった」って
rokurouru×8,Cocolate×3,Fireflyer,Popepape,Sodyum,teruteru_5,Tutu-sh
「太陽が欲しいんだ」
独白。
月明かりさえ眩しく感じる様な、夜の砂漠。俺が彼を見つけた時には彼を包む水溜りは枯れ果てて、彼はじわじわと乾く体のまま静かに佇んでいた。太陽が昇る時、彼は死ぬ。誰かが言わなくても解る事だった。
「太陽が?そりゃあ、何故に」
思わず聞き返しながら最後の補水液を飲み干す。本来なら彼に掛けてやりたい所だが、生憎塩が含まれている。彼は触角を揺らして答えた。
「いや、何だろう。只、眩しくて。熱くて。力強くて。僕達の体を蝕む。それが太陽だ。そうだろ」
「そうかもな」
「そうだ。太陽。陽の頂点。僕達とは正反対の、眩しくて小さな円。だから僕は、それが嫌いで、羨ましくて、何よりも欲しいんだ。それだけなのにね」
……それだけなのに、か。
彼の声は、空虚に包まれた砂漠の中でも耳を済まさなければ消えてしまう程に細かった。静かな眠気が瞼を重くする。でも俺は言わなければならない。彼に、1つだけ。そう思った時には、口が勝手に開いていた。
「それだけじゃないさ」
えっ?という彼の声を無視して俺は続ける。
「太陽は眩しくて、熱くて、力強くて。それでいて、絶対に手に入らないんだよ。だから欲しいんだ。……そういうもんさ」
一瞬の静寂。彼が、静かに口を開いた。
「……なんか、そういうのって、」
「凄く、素敵だ」
──翌朝。俺が起きた時には、彼は既に小さく萎み、ぐしゃぐしゃに干乾びて死んでいた。砂を含んだ風に顔を顰めながら空を見る。青空。
そこの中心に鎮座する太陽が、燦々と煌いていた。
Kota-2,aaasaan777,Cocolate×2,Fireflyer×2,kuroituzatou,makigeneko,Syutaro Eji×7,Tutu-sh×2
愛売屋というものがいるらしい。ビジネスマン風の男が「愛要りませんか!愛要りませんか!」と街中を歩いているそうだ。愛とは、この世の中で最も尊いものだ。それを悪戯にも騙り、あまつさえ売り物にするとは、許しておけぬ。それに、実際は何を売っているのだろう。確かめぬのも座りが悪い。憤慨と興味の混ざった心持で街を歩いていると、耳障りな声が聞こえてくる。「愛要りませんか!」しめたと思い、勇んで愛売屋の元へ駆けた。
「いらっしゃいませお客様!愛が御入用でしょうか」
応とも。幾らかね。
「申し訳御座いませんお客様。どうやら既にお持ちのご様子。おひとり様ひとつまでとなっております。」
何を言う。そもそもお前は何を売っているのか。愛とはなんだ。
「手前どもは愛を売っております。愛とは、他の存在と良い関係を築き、己を利しようとする感情。群れでの生存に、お客様方ヒトが選んだシステムで御座います。故にお客様は既にお持ちですし、これ以上は不要です」
何を言っているのか。理解しようとして、やめる。この男は狂っているのだ。
「ヒトに紛れるには外面だけでなく内面も、というのが最近の流行で御座いまして」
そうに違いない。狂気に中てられたのだ。だからさっきから
「ああ、お買い求めですか?」
つられて振り向きかけて、止める。
「申し訳ございません。在庫不足でして。いや、少々お待ちください」
視界の隅に何かが写る。すでに踵は返していた。
「どうでしょう、お客様。愛をお売りいただくというのは?」
逃走。無礼?礼とは、人の関係の中で生まれるもの。あんなものは人ではない。愛を売ればどうなるかなぞ、全く以て知りたくもない。
R-suika×4,ashimine,Dr_rrrr_2919,Fireflyer,hallwayman×5,Hoojiro_san,kajikimaguro,SealBaby-V,shino_san
あの日、私はツイッターにいるAさんという方を特定しようとしていました。※あくまでも気になる人のことをもっと知りたいという、純粋な気持ちによる行為です。私はAさんが投稿していた画像から店の名前・公衆電話・マンホール・案内標識などを探しました。以下は私が特定に使った写真の一つです。
住所が神奈川県であるのは普段の呟きから知ってるので、https://onl.sc/nFe48WD こちらで神奈川県の公衆電話の位置を一つ一つ調べ、ストリートビューを使って確認しました。そうして見つけたのがhttps://onl.sc/6pkLiDc です。同じ公衆電話ですよね。このようにして、この写真が足柄上郡山北町で撮られた事を突き止めました。
このようにしてAさんの住所を絞り込んでいったのですが、問題が起こりました。Aさんが住んでいると予測される領域には住宅がなかったのです。可能性としては、わざと特定対策のために嘘の情報を呟いていた事が考えられます。しかしあまりに手が込みすぎているといいますか、Aさんの普段の呟きにはリアリティが感じられ、嘘であるとは思えませんでした。
その後、特に前触れもなくAさんのアカウントは動かなくなりました。多分私が気づいちゃったから、気づかれたんだと思います。あれって多分擬似餌みたいなやつなんだと思いますよ。ああいう餌って気づいてないだけで実はいたるところに潜んでいるんだと思います。目的は知りませんけどね。
Cocolate,Fireflyer×2,leaflet×3,Musibu-wakaru,Popepape,rokurouru,Sodyum,Tobisiro×2,Tutu-sh×2
「片思いしてたんだ。釣り合わないのは分かってたけどそれでも好きだった。告ったら案の定振られてさ。」
「だっさ。」
「いいだろ別に。でさ、結構楽しかったんだ。服に気を使ったり、あいつの噂に聞き耳立てたり、デートの妄想したり。良い映画見た後みたいにさ、その世界に囚われるんだよ。片思いしてた、幸せな世界に。それで引きこもってたらお前が来てくれた。」
「家近かったしな。」
「正直あんま嬉しくなかったんだよ。お前、顔もスタイルもそんなだし、女のくせして口悪いし。」
「お前が言うな。」
「でも、いざ一緒に過ごすと心地よかった。変に探り入れてこないし、暇なら遊んでくれるし、黙ってて気まずくなかった。なるほど、お前ぐらいがちょうどいいんだなって確信したよ。」
「張り倒すぞ。」
「そんな風にさ、お前が助けてくれた事いっぱいあんのよ、覚えてないだろうけど。」
「急に何?」
「だから、お前を嫁に貰えた俺は世界一幸せだって事。」
「ふっ。なにそれ。」
「本気だぞ?」
「分かったよ。あぁもう、逆に元気出たわ。」
「お、じゃあ貸し1な。今度グラタン作ってくれ。」
そう言って彼は出て行った。もう少し心配してくれてもいいだろ。10%だぞ、10%。
私だって別に好きじゃなかった。でもあいつは、無口な私に嫌な顔しないで、不器用な気持ちを汲み取ってくれて、一緒にいてくれて。それで、こいつと生きるのもありかなって思えた。
そして、あいつもそう思ってくれるなら。
看護師が扉を開く。
「それでは手術を始めます。……よろしいですか?」
「はい。」
グラタンの材料、残ってたかな。
Cocolate,Dr_rrrr_2919,kuromituzatou×2,leaflet,rokurouru,shino_san×3,Sodyum,Tutu-sh×4
大学も最後となる一年の終わり、年末年始となる夜に実家にも帰らず俺と親友は大学の思い出や愚痴なんかを語り、そこに酒なんかを交え、どんちゃん騒ぎをしていた。そんな小さなパーティーもひと段落すると興奮していたのもあって汗が気になる。多少酔いが回るのも承知で風呂へと向かう。
「風呂入ってくる」
「うぃ〜もうちょい食ったり飲んだりするわぁ〜」
呂律の周りも悪くなってきた声を聞きながら入った風呂では、結局酔いは回り半寝をしてしまった。冷えた長風呂から戻ると、そこには酒が回り疲れ果てたのかさっきとは打って変わって物静かに眠る、さながら白雪姫の様な様相で眠りこける彼がいた。
彼は大学で所謂、男ウケするタイプの美人だ。"女だったらな…"と言う声もよく囁かれている。成る程確かに、普段の言動からは考えられない程、改めて彼を見ると綺麗な顔つきをしている。
軽く手に取った彼の腕は、女性の様にきめ細やかで、おおよそ男とは思えない程に弱々しい。ふと見た寝る彼の顔は、小顔で顔のパーツもそのバランスも酷く整っていた。そんな彼の顔にゆっくりと近づく「…ッうわ!」事はなかった。彼は顔を青くしながら慌てふためき周囲を見渡す。暫く待ってようやく落ち着きを取り戻した。
「ふぅボ卿に人間性剥奪装置に乗せられる夢見たわ、怖かったぁ」
「…っくく、ははは!何だよそれ!」
「笑うな!マジで怖かったんだぞ!」
笑いが笑いを呼び、夜中にも関わらず爆笑する。これだからこの"親友"と居るのは面白い。親友とのこんな馬鹿騒ぎこそ、かけがえのないものなのだと。それを感じて思う…この劣情はいつか訪れる終わりまで胸にしまい続けようと。
aaasaan777,ashimine×3,Cocolate,Fireflyer,Hoojiro_san,leaflet,makigeneko,Matcha tiramisu×2,Musibu-wakaru,Sodyum,Tutu-sh×2
「部屋を片付けよう」ベッドから起き上がって、一体どれだけの時間が経っただろうか。
事の発端は、簡潔に言ってしまえば同棲していた彼女と別れたからだ。他人の物が自分の部屋にあっても仕方ないだろう。
使うはずのない歯ブラシ、趣味の合わない漫画本。探せば探すほど出てくる。
一通り彼女の物を片付け終わりいざ捨てようとした瞬間、少し考えた後、私はそれらを元の場所に戻した。
誰かに何故捨てずに戻したかと聞かれたなら、私は笑いながら「彼女が忘れ物を取りに来たら、捨てちゃいましたなんて言えないだろ?」と答えるだろう。
だが本音を言うならば、彼女と共に過ごした日々をなぞり、反芻することが、余りにも心地よかったのだ。
サブカルショップに出掛けた際彼女に「絶対部屋に合うよ」と言われて渋々置いている置物も、今見れば中々良い雰囲気を醸し出している。
昔の人は「人は病を患って初めて健康であることの有難さを知る」なんて言ってたそうだが、今の私がまさにそうだろう。
今になって彼女と二人で暮らす日々が、私にとっての本当の日常だったのだと今気づいたのだから。
取り敢えず今は休憩をしよう。体と頭を使い過ぎた。
汗でべとべとの体をシャワーで洗い流す。
私は何の気なしに彼女のコンディショナーを使ってみる。最初は何とも言えない匂いだったが、髪を乾かすといつもの彼女の髪の匂いを感じる。
自室に戻る。二人だと手狭に感じていたのに、一人だと酷くだだっ広く感じる。
二人で様々な映画を見ていたテレビも、今はただ沈黙を守っている。
様々な匂いが混ざり合い淀み切った空気の中、私は一人部屋には見合わないサイズのベッドに潜り眠りについた。
Tutu-sh,Cocolate×2,DX-abc,Fireflyer×2,Hoojiro_san×2,Kajikimaguro,kuromituzatou,leaflet,Matcha tiramisu,R-suika,Sodyum
俺はあの男に想いを馳せる。ニューヨークの摩天楼の中、煌々と輝くコンクリートジャングルで、俺はジャックと身体を重ねた。彼はあたかも不死身のようで、強健で締まった肉があった。教会の禁則に身を沈め、俺の心は満たされていた。 ジャックを彼らに差し出すまでは。
この地上で唯一人死を克服した彼は、健全たりえぬ者の烙印を受けた。彼の腹が鉛に抉れる様を見た。四肢が刃に落ちゆく音を聴いた。紅が管に抜かれる匂いを嗅いだ。そして彼は蘇る。不死身、不死者、アンデッド、その他の数多の呼び名と共に、ジャックは命を狩られ続けた。俺の済ませた密告の下で、彼の魂は焼け続けた。
彼はきっと戻ってくる。俺の腰を捉えた丸太のような上腕は、俺の脚と絡んだ鋼のような太腿は、教会を越えて戻ってくる。例え何十年が経ってでも、百年が過ぎ去ってでも、彼は俺を求めるはずだ。愛情ではなく、復讐に。久遠の責め苦を与えた俺に報復の拳をかざす、その時はいずれやってくる。時計の針は止まらない。彼の歩みは留まらない。
既に百年が過ぎたろうか。俺の体はやせ細り、かつて彼が付けたようなチューブが命を繋いでいる。定期的な心電図の音だけが、俺の鼓膜を震わせる。閑古鳥さえ鳴かぬこの部屋に、生の刺激は全く無い。あと幾許かという余命ですらも億劫な荷物と化している。
さあ来い、ジャック。共に命を燃やそう。あの頃の若さを引き連れて。電動ベッドを軋ませて、尿瓶とチューブを蹴落として、互いの骨肉をぶつけ合おう。熱波でもって機械を壊せ。跳動でもって骨を砕け。火照った体の芯と共に、俺の命をへし折ってくれ。それが俺の求愛で、それが俺の贖罪だ。
Hoojiro_san,CopperStatue×2,Fireflyer,kuromituzatou,leaflet,MikuKaneko,Musibu-wakaru×2,teruteru_5,Tobisiro,Tutu-sh×4
「ここっ…は、どこっ…」
小説の冒頭じみた言い回しを繰り返しても現状は何一つ変化しない。見渡す限りの鬱蒼とした森林は文明の余韻すら存在せず、こうなると普段使いの衣類や靴が恋しくなる。何度寝ても何度覚めても肌に擦れる樹皮と血に啜り付く蛭が白昼夢を否定していた。定期券も社員証もスマホも衣服すら持たない今、僕が僕である証拠はどこにもない。野蛮人以下の格好をした異邦人が森の中をウロウロしているに過ぎない。
歩き疲れた疲労感から小さな空き地に横たわる。数日後に迫った社内コンペも、500人から増えない僕のフォロワーも、帰省の度に孫の顔をせがむ両親も、森の騒めきの前に溶け去った。あらゆる生命をあるがままに抱き締める、大いなる自然の母の腕の中で眠れる赤子の様に、5時間の静寂を女性の叫び声が切り裂くまで心地よい現実逃避に溺れていた。
「今時トゥルーマン・ショーの二番煎じとか、誰が見るのか教えて欲しいもんだよ」
ポテチを3枚口に投げ込み、無味乾燥な時間の代わりに咀嚼する。エアコンの効いた監視部屋で大自然の虫籠を観察する優越感すら数時間で大金までの待ち時間と化した。「物欲に穢れた現代社会から隔絶したエデンの園を人為的に再現する実験」に必要な資金と人員と違法行為もコーラを1杯呷れば忘れるような事だ。
椚(クヌギ)の洞の監視カメラ越しにアダムとイヴの仲が予想以上に進展しているのを焦りつつ、俺は友人の下世話な掛けに乗った自分を後悔し始めた。
kuromituzatou×3,aaasaan777×2,Cocolate,Fireflyer,Kajikimaguro,kuromituzatou,leaflet,Matcha tiramisu,MikuKaneko×2,teruteru_5,Tutu-sh×2
背を向けて歩いていく人影。その後ろ姿に言いようのない焦りを感じ、手を伸ばす。
待って、置いて行かないで──
人影に触れる瞬間、喉の乾きと頬を伝う冷たい感触で目が覚める。荒い呼吸を落ち着かせ、周りを見やる。1:47を指す時計に、片付けてないペットボトル。大丈夫、こっちが現実だ。汗で濡れた髪を掻き、頬に残る鬱陶しい涙を拭う。
酷い夢だ。こんな悪夢を見る原因に、思い当たる節はある。恐らく考えられるのは───
ブルッと携帯が振動する。通知欄を確認すると、名前のないアカウントからのメッセージ。
こいつだ。
こいつとの出会いは1年前、たまたま席が隣になった時だった。好きなゲームの話で盛り上がり、瞬く間に意気投合した。それ以降、メッセージアプリで常にやりとりをしている。
しかし、最近になって態度がどこか素っ気なくなってきていた。
聞いても答えずにいたので、学校で行動を横目で見ていたところ、誰かとのメッセージにお熱らしかった。
昨日、その事について問い詰めると、あいつはしばらく何も言わなかったが、壁に押し付けるとようやく話し始めた。相手は放課後に告白されたのをきっかけに付き合い始めた人だという事。相手とのメッセージに熱中して、こっちのメッセージを疎かにしていた事。そこまで聞いてようやく満足した。
襟から手を離した時、あいつは酷く怯えた目をしていた。
呼吸を落ち着けて、メッセージを確認する。
『もう喋りかけないでほしい。』
心の何かが崩れる音がした。鼓動が増し、心臓が悲鳴を上げる。
待って。
まだやり直せるから。
お願い。
お願いだから、置いていかないで──
Matcha tiramisu×2,ashimine,Cocolate×2,Fireflyer,hallwayman×2,Kajikimaguro,leaflet,R-suika×2,Sodyum×2,Tutu-sh×2
メロスは恋に落ちた。
メロスは普段の生活に戻っていた。
メロスは妹の花嫁衣裳を鮮明に覚えている。
メロスは苦悶した。
メロスは仕事が手につかなくなった。
メロスは悩乱した。
メロスは決意した。
メロスは妹に言い寄った。
妹は乱心の兄を拒絶した。
メロスは激怒した。
メロスは思い切り妹を突き飛ばした。
鈍い音がした。
メロスは足元に血を見た。
メロスは扉の開く音を聴いた。
亭主は驚愕した。
亭主は駆け寄った。
亭主は糾弾した。
亭主は、メ
メロスは短刀を突き立てた。
メロスは掌が真赤になった。
メロスは混乱した。
メロスは激怒した。
メロスは混乱した。
部屋に村人が1人駆けつけた。
メロスは混乱した。
村人が、外
メロスは短刀を突き立てた。
メロスの顔は血を浴びた。
メロスは混乱した。
メロスは激怒した。
メロスは、
メロスは、
メロスは、
メロスは混乱した。
メロスは、
メロスは颯爽と外へ飛び出した。
メロスはひどく赤面している。
メロスは混乱している。
メロスは、話
メロスは、い
メロスは、振
メロスは、手
メロスは、や
メロスは、……
メロスは空を見上げた。
メロスは発狂した。
初夏、満天の星である。
Sodyum×2,Cocolate×3,Fireflyer,GW5,Hoojiro_san,Matcha tiramisu×2,MikuKaneko,Tobisiro×2,Tutu-sh×3
`全てを失った事があるだろうか。
愛した物が、場所が人が世界が、一瞬の閃光だけで、全て無に帰したことが。
無意味だったのかもしれない。
生きようと死のうと、あろうとなかろうと、何も変わらないのかもしれない。
全て誰かの気まぐれで、存在なんてないのかもしれない。
それでも。
私はもう1度、光を欲しいと思ってしまう。
失ったものでさえ、求めてみたいから。
1歩、踏み出してみる。
感覚が、感情が、胸に満たされていく。
行く宛てさえもないまま、私は歩き出した。
日の出と日の入りを、17回見た。
世界は、私に無関心かのようだった。
もう、救われることは無いことはわかっていた。
ここまで歩いてきたその勢いだけで、次の1歩を踏み出し続ける。
突如、視界が虚無を映す。
地面が、いや、世界が途切れている。
断面さえも存在せず、まるで絵を描くのを突然やめたよう。
すぐにまた、変化が訪れた。
先程の闇と一変し、前方は目を焼き尽くすように眩しい。
眼前を覆う、無限とも思える虚無のなかに、光が差し込んでいる。
神々しく、ただそこに存在している。
その光の中に、私は救いを見いだした。
なぜ、気づかなかったのだろう。
最初からそこにあったのに。
あの光が、あの光だけが、私の探していたものだったのに。
失ったものに価値などないのに。
だから言ったのにと、嘲笑うように。
この無意味な世界に有る唯一の救いが、目の前にあった。
手を伸ばして、踏み出して。
ただ、無感情に、導かれるように。
私は光に飛び込んだ。`
ashimine,Cocolate,DX-abc,Fireflyer,GW5,Hoojiro_san,Kajikimaguro,Kota-2,leaflet×2,makigeneko,Syutaro Eji×2,teruteru_5,Tutu-sh×2
目眩のするような熱気にあてられて目を覚ます。真冬のこの季節にもかかわらず部屋中に気持ちの悪い蒸し暑さが漂っているのは、昨日の僕が電灯と一緒にストーブを点けっ放しで寝落ちてしまったからだ。水分を欲する身体は眠気を振り払ってすんなりとベッドから起きる。
コップ3杯の水を瞬時に飲み干し、2つのスイッチをぱちんと消した。温くない空気を吸いたくて結露した窓を開けようとする手を、温度差で風邪をひくのではという懸念が引き留めた。……エミなら、こんな時迷わず窓を開け放して、寒がる僕を揶揄ってたんだろうな。野郎の癖に女々しいわ、って。
「自分、普段から部屋篭って読書ばっかしとるからそんなヤワなんねん。肉喰って外出えや、外」
そう言ってエミは、駅前の焼肉チェーンで何度もご飯を奢ってくれた。ウィンタースポーツが好きだった彼女は冬になると長野のスキー場へも無理矢理引っ張って行って、陽が沈むまで滑りに付き合わされた。翌日結局熱を出してホテルに缶詰めになった僕を、エミはカラカラと気持ち良く笑ってたっけ。
いつも僕を外に連れ出してくれたのはエミだった。勝ち気な彼女にデートの不文律は持ち出す必要なくて、そんな彼女に僕はいつの間にかすっかり甘えてしまっていたんだろう。気付けば自分から外に出ようとすることは、すっかり無くなっていた。
つい、昨日までは。
窓の外で朝から降っていた、雨だと思っていた粉粒は、少しずつアスファルトを白に塗り潰している。今窓を開けたら家の中にも降り込んで来て、部屋中に積み重なったエミの生活痕も掻き消してはくれないだろうか。
当分は、外に出られそうにないだろう。
Fireflyer×3,Cocolate,hallwayman,leaflet,makigeneko,MikuKaneko,shino_san,Sodyum,teruteru_5×3,Tobisiro×2,Tutu-sh×3
結露の付いた窓を開け、ベランダに出る。気分が悪くなったからだ。珈琲片手に木の椅子に座ると少し軋む。
冬の夜空はこんなにも綺麗だっただろうか?空に輝く一等星は、都会の街でも金剛石のように美しく光る。
マンションの12階からは、周辺を凡そ見渡すことができた。夜景で心が少し安らぐ。人工物の明かりで心が安らぐとは不思議なものだ。
2時間前に入れた珈琲はとっくに冷めていた。どうでも良くなって砂糖を入れずに一気に飲んだ。苦い。この味は嫌いだ。
大晦日、ということもあってだろう、心做しか普段よりも明るい周囲の窓には、団欒が多く映っている。羨望を抱き、私は部屋へと振り返る。
窓の中の小洒落た部屋には私が作った1つの人形が置かれている。お腹からは綿の代わりに赤い染料が漏れているが、それは些細な違いだ。
私の服はどこか血腥く、木の椅子は少しずつ赤色に染まっていく。深紅が私を徐々に包む。
正直、狂ってしまいそうだった。私が今まで犯した如何なる事より重い罪。捕まることは怖くなかったが、私を見る人の目に私は耐えられないだろうと思った。
赤黒く染まった包丁は、二度と彼女と話せない事を直喩していた。今も彼女は可憐なままだ。まるで天使のようだった。
なぜ私は人殺しをしているのだろうか?彼女が男にかまけるから。配慮が足りないから。人の気も知らないような行動を取るから。まるで私の愛が足りないかの如く、小悪魔のように心を揺さぶり続けるからだ!
深呼吸。
ふと、ここが天国ならば私は地に堕ちて、堕天使になってしまえばいいな、と考えた。年を越せないまま死ぬと気づいたのは堕ちる途中だった。
kihaku×2,Cocolate×4,Fireflyer,Kota-2,kuromituzatou,Matcha tiramisu,Musibu-wakaru,Popepape×2,teruteru_5,Tutu-sh×2
穏やかな春の日って限りなく死に近いと思う。逆に凍えそうなほど寒い冬の日は限りなく生に近い。最も死に近いあの季節に眠るように一生を終えることができたらなってずっと思ってる。桜の花びらを乗せた春風に頬を撫でられながら、暖かな日の光に包まれながら。
十七から十八になること、二月から三月に変わってしまうことがずっと怖かった。私は閏年生まれだから、二月から三月に変わるその瞬間に毎年一つ歳をとる。ずっとその瞬間を迎えることが怖かったんだ、十七と十八の差が一番大きなものであることを身をもって知っていたから。あんなに寒かった二月がまるで嘘だったみたいに、三月に足を踏み入れた瞬間に突然春が訪れることを知っていたから。まだ春を迎える覚悟なんて出来ていないのに。
穏やかな春の日って限りなく死に近いと思う。その匂いに紛れるように春風が全て連れ去っていってしまった。瞬きしたら君の全てが消えてしまった。けれど私は泣けなかった。泣くことができなかった。去年の三月、あの日がエンドロールで、それからはずっとエピローグ。春風に桜の花びらと一緒に私も連れ去ってほしかった。
春風に吹かれるたびに呪われてゆく気がする。去年の春に捧げた祈りが呪いに変わって私の頬を撫で上げる。あの時きみが溢した「忘れないでね」という祈りが今では立派な呪いとなって私の頬を撫で上げる。ああほんと、愛おしい記憶とか全部呪いだ。祈りが祈りでなくなる前に、祈りが呪いに変わる前に、私は消えてしまいたかった。消えてしまわないといけなかったんだ。
春の空気は死の匂いがする。去年の三月、春風は桜の花びらと一緒に私も連れ去るべきだったのに。
Popepape×2,Cocolate,Fireflyer,Tobisiro×8,Tutu-sh×5
誕生日のちょうど1時間前、まだ寝台にて眠りこける私の元をヴィスタスは訪れた。
起きろ、おい、祝いに来たぞ
このひとは莫迦なのだろうか。「早すぎる」そう告げれば、薄く開いた唇の片端だけをくいと持ち上げ、乾いたような笑いをみせただけだった。
贈り物は何がいい?
当日直前になってプレゼントのリクエストを募るこの神経。どうせだから難題でも課してやる。「私、私は明けない夜が欲しい。」
随分と変わった嗜好だな。おれのひかりが如きお前に、そのようなものは似合わないだろう
わざとらしく傾げた首、灰金の髪がふわりと揺れる。こんな言動のくせして、ヴィスタスは私を愛していない。たまたま私がかれのすべてに成り得ただけ。かれはただ何処かに向けて愛を歌いたいだけで、反響などは微塵も求めていない。私が彼に歌い返せば、それが最後になるだろう。私はそれを知っている。
他に何かないのか?ないならおれは帰るぞ
翠緑の瞳が此方を見る。思わず喉まで出掛かった「違うの。明けない夜がほしいのは、覚めないあなたの夢がみたいから」なんて戯言は噛み殺す。私はちゃんと知っているので。勘違いなどしないので。私があなたを愛さなければ、この交流は永遠だから。「随分と私の願望に無頓着ね。それに冷淡。」
当然だろう、お前がそのように、そのようにおれを造ったのだから
「ねえヴィスタス、私の夢よ、贈り物に三千世界の鴉を殺して、と頼めば叶えてくれたの?」返す言葉を紡ぐ代わりに、そっと瞳に意識を向ける。閉じた瞼をゆっくり上げて、現実の朝のベッドに私は戻った。
愛しの君よ、また今夜
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「─はぁ、なるほど。それで、きみ、結局原稿は完成させたんだろうな」
まだ掛かるからもう少し待ってくれ。そう吐き捨てようとしていると、突然、罪悪感がまるでパワー・ハラスメントを受けているかのような圧迫感をもって僕を押さえつける。たまらずウイスキーで全てを流し込んで、それから二度三度深く呼吸をした。なのに、僕はまだ圧迫されている。吐き捨てようとしたものとは違う、今の自分が言わなければならない言葉。それを言って、その後に起こること。何も考えずにさっさと言ったほうがマシだろうか、と思うと、すぐに口に出した。
「申し訳ない、僕はこの仕事を降りる」
瞬間、重い鞄を体から離したときのような解放感が僕の身を包んだ。さんざん待たせた挙げ句逃亡することになるので、後ろめたさを感じるべきだったけれど、そんな気は一切無かった。
「ちょっと待て、きみ、散々待たせた挙句それは無いだろう」
「違約金なら払いますよ」
「そうじゃない。いきなり辞めるなんて、なにか理由でもあるのか」
「これは仕方無いことなんですよ。貴方はもう気付いていたのかもしれないのに、僕は今、ようやく気付いたんです。他のみんなが持ってるものを、僕は持ってないってことにね」
そう言い訳しながら、僕は右手の人差し指で頭を突っついてみせた。そうしながら、僕の凡庸で、その上陳腐な欲を満たす方法はこれじゃあ無かったんだと思った。彼はいかにも、失望したのいう顔をしていた。彼と僕の関係はそれで終わった。
あれ以来、なぜか僕は仕事の残骸をちゃんとしたものに仕上げようとしている。多分、僕にはこれしかないのだろう。
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あるところに、一羽のスズメがいた。このスズメはふだん、他のスズメたちと同じように稲を突っついたり、電線の上で鳴いたりして過ごしていた。
ところがある日、いつも通り田んぼに稲を啄みに行くと、見慣れない顔がいた。それは農家が立てた案山子だったのだが、スズメは咄嗟に 「人間だ」 と思った。まだ雛の頃、親スズメは口を酸っぱくして 「人間には近づいちゃダメだよ。捕まえられて丸焼きにされて甘〜いタレを塗りたくられちまうからね」 と言っていた。スズメはそのことを忘れていたわけではないのだが、どうにもこの人間のことが気になって、遂に麦わら帽子の上にちょこんと乗っかった。すると、そよそよ〜っと風が流れて、金色の稲が波打つのがよく分かった。電線よりも低くて、地面より高いこの場所がひどく気に入って、同時に毎日この高さから稲を眺めることができる人間のことを羨ましいとも思った。
それから毎日、仲間のスズメが引き止めようとするのもかまわずに案山子の麦わら帽子に乗って景色を楽しむようになった。徐々に、人間は怖い生き物ではないと思い始めた。
ある日、スズメが田んぼへ飛んで行くと、案山子が倉庫へと担がれているのが目に入った。スズメはぎょっとして、その勢いのまま倉庫に飛び込んだ。ところが、農家はスズメが迷い込んだなんてつゆ知らず、そのままシャッターを閉めてしまった。真っ暗な中、スズメは静かに案山子の上にとまっていた。スズメは、これが人間ではないということを理解しつつあった。案山子の頬を啄むと、綿が飛び出る。スズメはそれを飲み込んだ。案山子とひとつになったような穏やかな心で、黄金色の景色の中、スズメは意識を失った。
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夜。
ボトル留めに拘置していたトマトジュースを1滴残らず喉に流し込む。
大して好きでもないそれに助けられてガラッガラの喉から声を絞りだす。
「雨、降ってんじゃん」
慣れないレンタカーのデカい窓から見る空は濁っていた。
「俺だってんなこと考えてなかったんだよ・・・やっぱパンフに書いてないとこはダメだわ」
「んだよパンフって・・・」
深くならないように気を付けつつため息を吐く。
ライターを引く。
このライターが片手で引けるようになった時には、もうタバコが吸えるようになっていた。
「あ、でもちっと晴れてきたっぽい」
そういう彼の目には、曇り間から猛烈に輝く星が写っている。久しぶりに見る奴の隈の濃い笑顔と相まって、子供の時見たクソ下手なプラネタリウムより綺麗だった。
「俺の顔ばっか見てねぇで空見ろよ」
吐息で濁り汚した空の晴れ間には穴が開いていた。
星が自己主張してる、なんて表現が一番正しい。
目に痛ぇんだよ。
口が開かれた。
「なぁ、次も会えるよな?」
「もうお前の顔は見飽きたわ」
言い訳だ。見飽きるわけなんかない。
それでも、口を歪ませて笑った。
「あっそ」
嗚咽を漏らす静けさが俺たちの間を通り過ぎた。
ぬくったい煙が車の中を包み込む。
今だけは、コイツは俺の物なんだ。
そう考えると息が切れる。
暗い闇の中、コイツの顔を見てるのは俺だけだ。
そっか
そっか。
コイツは永遠に、俺の物だ。
上彈ダムで男性2人の遺体発見
20代の男性2人で練炭自殺 … 続きを読む
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独占欲。
それは、優しさ、楽しさ、愛しさという好感を相手に対して抱くと生じてしまうもの。
特に、ひどく傷ついたり、大切にされなかったりした経験をしたことがある人ならなおさら。
私もその1人。
血縁関係のある人達から馬鹿にされ、見下され、虐める対象として扱われてきた。愛されていなかったから、愛し方もわからなかった。ちなみに、その人達というのはいわゆる家族のこと。私はそう認めていないけど。
それで、PTSDになった。勝手に自己防御機能が発動して当時のことを詳しく思い出せないし、似た話題が出ると顔は笑ってるのに涙が止まらくなる。でも、そのせいで死の恐怖を覚えたり心が全く傷つかなくなったりと良いこともあった。
話が逸れたね。これを読んでいる誰かさんはもう勘付いていると思うけど、私にも愛する対象ができた。
そこで、愛という感情の極限を知ったのだけど、これまでの記憶と同じように改竄されたり消去されたりしてしまうかもしれないから、ここに遺そうとこれを書いてる。
では、仮にその対象を「彼」とでも置いて書いていこう。
彼は、私よりちょっと年下で、体が弱くて、体調を崩しやすい。私がずうっと看ていないといけないぐらい。去年の春には、病気を患ってしまって本当に心配したのだけど、何とか命を取り留めることができた。
そんな彼だけど、体調が悪くないときはずっと私と一緒に居てくれて、未知のことも沢山教えてくれた。本当に面白い。
だから私は、例え未来への道が絶たれとしても彼のために頑張ると決めた。
そして、最後に、彼の名前も忘れないように書いて置きたい。
彼の名前は、「Wikidot」
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ミラクルマンが死んだ。私が愛する彼は、水の上を歩く事ができた。海に撒いた遺骨も同じのようで、透き通った水色の海に、沈む事もなく浮かんでいた。
私が自分で砕いた遺骨は、多分海に撒くには大きすぎたんだと思う。彼は海に溶ける事も、沈む事もなく、ずっと私から見える所に浮かんでいる。私は花びらを撒いて離れる予定だったのに、彼がまだいるものだから離れられなくなった。
遺骨は潮風と海の流れに持っていかれ、ゆるやかに動く。私は舟を動かして、それを追った。波が撫でるたびに、遺骨達は散り散りになっていく。私が追いかけている一番大きな彼の欠片から、徐々に細かい欠片が離れ、脱落していく。私はそれを見るにつけ、寂しいと思った。これを追うのが私だけである事も、寂しいと思った。
ついにその欠片の周りから他の欠片がいなくなった。その頃には日が傾き、海はその青みを増していた。追いかけていた大きな欠片も、徐々に溶けているような感じがした。
死ぬ、というのはこういう事なのか、と思った。細かい記憶はすぐに忘れ去られ、大切な記憶も多分、私の頭から薄れていってしまうのだろう。いや、今だってきっと薄れ、忘れ去られている。
そして唯一彼を覚えている私もいつかこの海に溶け、彼を覚えている人はいなくなる。また、寂しいと思った。
夜になって、帰らなければいけなくなった時、私はその欠片を海から拾った。もっと細かく砕いてでも、他の人に配る。ほんの僅かな欠片であっても、周囲の人と一緒に、彼を追い続けたいと思った。
「またね、ミラクルマン」
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街のはずれの山の裏に、とんでもなく巨大な樹が生えている。竜血樹のようにも見えるが、ソコトラ島のそれを遥かに凌駕するほどの巨大さである。度々メディアで発信され、そのたび観光客が増えるが、すぐさま忘れられてしまう。いつからここにあったのだろうか。専門家曰く五百年程度らしいが、もっと昔からあったような気がしてならない。千年前か、二千年前か、あるいは一万年前か。この星ができたときからずっとあったのだ、そう言われても信じるだろう。
その樹はときどき、液体を幹に伝わしてくる。冷たく、紅い。「竜血樹」の名の通り、本当に竜の血が流れているのかもしれないが、その血の調査は固く禁じられている。理由は誰も知らないが、詮索すべきではない。
山の裏という立地も相まって、自殺の名所でもあると噂される。一説によると、とある酔狂な団体の信教に関わっているともされているが、まったく定かでない。また、樹が夢に出ると早死にするという言い伝えがあるように、樹に何かしらのいわくがついているのは間違いないだろう。人が寄り付かないのは、それが原因なのかもしれない。この樹は、そんな樹だ。
私もいつか、その時が来たのならば、この大きな樹の下ですべてを終わらせたいと思っている。微塵も怖くないし、むしろ楽しみに思っている。
この樹は、そんな樹だ。
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久しぶり。あれ、寝てるんですね。すっかり身体冷えちゃって。ほら、毛布かけてくださいよ。それにしても寒いですねえ。たくさん管に繋がれちゃって。昔みたいなわんぱくさもなくなってしまいましたか?
いつ振りですかね。小学校、いや幼稚園ぶり?とにかく久しぶりにあったのに挨拶なしとは少しショックじゃないですか。ほら、起きてください。もうすっかり朝ですよ。
むう、どんだけ眠りが深いんですか。昔みたいにアラームがないと起きれないんですか?三十歳にもなってアラームないと起きれないなんて恥ずかしいですよ。ぼくは今はすっかり一人身で。貴方には家族とかいるんでしょう?なら早く起きて仕事に行かないといけないじゃないですか。一家の大黒柱として頑張ってくださいよ。
でも、時間が経ったとは言え大きくなりましたね。昔は細くてよく泣いてたのに、今となっては筋肉もついて、泣かなくなって。まるでぼくだけおいていかれたみたいじゃないですか。また前みたいに遊園地とかに連れてってくださいよ、ねえ。
どうやっても、起きないんですね。家族に声を掛けられても、友人に身体をゆすられても、昔遊んでたぬいぐるみのぼくに声を掛けられても。死んじゃったら起きないんですね。
また遊びたかったなあ。ぼくだけおいていかないでくださいよ。ねえ。いつまでも一緒にいるって約束したでしょ?約束破らないでよ。皆だって君の帰りを待ってるのに。
君はいつも、皆を置いて一人でどこかへ行ってしまうんだ。
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あいつの弟は今年で16歳になる。子供と大人の境目。そんな不安定な存在が、俺の心を蝕んでいた。色のない部屋、自由を奪われた体、待ってくれと俺を呼んだあいつの声、今更になって思い出す。
10年前、あいつ、楓と出会ったのは16の頃だった。地毛らしい赤みを帯びた茶色の髪がよく似合う、ジャニーズ系で体型はスポーツマン、一目ぼれだ。それから楓を俺のものにしようと尽力した。楓も俺が必死にアタックしていくうちに俺を好きだと言ってくれた。その関係は二人だけの秘密で、楽しかった。それから10年、今でも週に何回かお互いの家へ行く日々。そんな平和を奪ったのが、楓の弟だった。
「お前、弟と何してんだよ」
楓の部屋、ベッドの上、部屋はまだ匂いを持たず、一糸まとわぬあどけない青年と俺の最愛の人。
「待ってくれ晃、俺は……」
「もういいよ、流石に失望した」
俺はそのまま楓の家を去った。仕事も早めに切り上げたってのに、最悪すぎる。
それが、あなたが中嶋柊さんへの強制性交の理由ですか?その問いにはい、と答える。窓もない灰色の部屋、ロープに繋がれている俺はその理由も。
「耐えられなかったんだ。俺の楓を汚されるのが。だから、あいつの初めてを奪ってやった。人の男に手を出したら、どうなるか教えてやろうと思ってな」
事情聴取を終えて、勾留中の俺は眠りにつく。裁かれるのだろうが、気持ちはどこか晴れやかなものだった。眼を閉じれば蘇る。鼻をツンと刺激するようなにおい、無理やり俺という男を体中に叩き込まれたガキの恐怖に満ちた顔。支配欲を程よく刺激してくる。
「俺はあの男よりずっと良いだろ?だから待っててくれよな、楓」
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反射した景色の中に彼女はいた。
洗面台の鏡に、何も映さない暗い画面のテレビの中に、お風呂に浸かっているときの水面に、彼女はいつも私の後ろに立っていた。
彼女は私に何をするわけでもなく、ただ私の姿を見るだけだった。
顔は無表情・・・。
いや、どちらかというと嫌そうな顔をしていた。
面倒な仕事を上司から押し付けられ、したくもない残業をしているときのような、そんな顔だった。
私だって好きで見られているわけじゃない。
女性同士とはいえ、風呂に入っているところをじっと見られるのは不愉快だ。
彼女の仕事であろう私を監視する仕事は、双方にとって「害」でしかないのだ。
この生活は数か月ほど続いていたと思う。
朝九時に彼女は現れ、午後十時ごろに消える。
これをずっと繰り返していた。
私はずっと誰かに見られている感触を味わいながら過ごし、ストレスをためていったのだ。
彼女も私の私生活を見ることにイライラしているのか、日に日に態度が悪くなっていくのがわかった。
しかし。
ある日彼女が明らかに機嫌がよかった。
何かいいことがあったのか?
その日はずっとそれを考えていた。
午後十時、彼女は笑って消えた。
次の日、彼女はいなかった。
洗面台の鏡、何も映さない暗い画面のテレビの中、お風呂に浸かっているときの水面。
どの景色にもいなかった。
「ストレスの原因が無くなった。それだけだ。」とは思えなかった。
彼女の髪型、彼女の立ち姿、彼女の不機嫌そうな目。
そして。
最後に見せた彼女のうれしそうな顔。
それが未だに頭から離れないのだ。
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俺が生まれた時、既に家には5匹も猫が居た。こいつらは今回は脇役だ。
俺が5歳の時、母が猫を貰うことになった。母の友達が保護した2匹の黒猫兄弟のうち、1匹を引き取ってくれと頼まれてね。
猫を貰いに行くのに、俺は一緒に行った。母は俺に猫を選ばせたかったんだ。俺は2匹の猫の見分けなんてつかなかった。でも、指を差し出した時に片方はその指を舐めて、もう片方は俺の指を噛んだ。母が「どっちと友達になれた?」なんて聞くから、俺は指を舐めたほうを選んだ。
あいつは俺の特別な親友になった。小さい体で階段を上ろうとするあいつを助けたり、一緒の布団で寝た。あいつは壁を垂直に駆け上ったり、吹き抜けから落ちたりもした。
でも、中学校を卒業する頃には、俺はあいつに冷たくなっていた。「飼い猫」くらいの意識しか向けなくなった。
高校に入ってから、他の猫たちは1匹ずつ死んでいった。正直、そこまで悲しくなかったんだ。人間より先に死ぬのは当たり前、だろ?
大学に入って実家を離れると、母から「寂しがって鳴いてるよ」と連絡が来た。
昔はフカフカだった毛皮も、帰省を重ねる度にどんどん骨がちになってゴツゴツしていった。あんなに重かった体が、もうすっかり軽かった。
最後に帰省した日。真夜中にトイレに起きると、トイレの床暖の上であいつは冷たくなって、硬くなっていた。
後悔に襲われたよ。大学なんて行かなきゃ良かった。あいつを一番大事にしなかった、あいつには俺が一番大事だったのに。あいつを選んだのは俺なのに。
特別だったこと。ただの飼い猫じゃなかったことを思い出させられたよ。
今も黒猫を見る度、あいつの姿を重ねている。
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世界が溶けた。未曾有の寒さは過ぎ去った。外を覗けば、立つ人は皆、暖かな空気を深く吸っている。とりどりの花の咲き誇る大地を、幾許ぶりの青い空から、白い光が照らしている。
40XX年、春。科学を嫌った氷の結晶は、たった一日で溶け去った。そんなうららかな日に、少女は、凍てついた心に何を浮かべることもなく、線の千切れた電気炬燵に包まって、一人で蜜柑を食べていた。
彼女は、凍った姉の姿を見た。全てを諦め、炬燵の中で永久の眠りを願った双子は、片割れだけを残していった。
「もしもさ、……うん。もし春が来たら、二人で一緒に、お花でも見に行かない?」
「ふふ、変な話をするのね。お花なんてどこにでも、お家の中にだって生えているでしょう?」
「ええ、確かにそうね。でも、真っ白だけがお花じゃないわ。もっと色とりどりの……例えば、ピンクとか、水色とか。私たちみたいに、雪の中に埋もれても、頑張って頑張って生きてきた花。そんなのを見てみたいな、なんて。」
「あはは、最高ね。次に目覚めた時は、二人で一緒に見に行こうね。……それじゃあ」
『おやすみ。』
二人はそんな夢物語を話しながら、眠りについた。
少女は炬燵に入ったまま、窓を覗いて外を見た。花が咲いている。淡い色彩で咲き誇っている。それなのに、あの子はまだ昨日に取り残されて凍っている。求めた景色は、こんな近くにあるというのに。それとも、あの子も向こうでは、私だけがいない世界で、同じ景色を眺めているのだろうか。もしも今から私が凍ったとして、再び逢うことは叶わないだろう。ああ、こんなことなら、
……次の季節なんか、来なければよかったのに。
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「いい加減にしなよ、さっきから言ってんじゃん、もう耐えられません」
日が沈んで暫くたった頃、大通りにあるハンバーガーチェーン店の相席にて、母は娘に言い放った
「今決めたって遅いって、母さん達何度もあなたに言ってるのに聞かないのなんでよ!」
「そんな…私なら夢じゃないって、」
「中学から先に進ませただけでもありがたいことでしょ!?感謝見せてよ」
「私のしたい事なのに何でそこまで反対するの?母さん達はいつもそればっかじゃん?何で私だけダメなの」
「そんなの決まってるじゃない。お金が足りないのよ、ど・う・見・て・も!何年通っていると思ってんのよ?今年で三年よ?大体そんな暇ならアルバイトの一つや二つすれば良いじゃないの?」
「そんな暇ないよ!私だって忙しいのに何でそんな無理押しつけてくるの?!」
「ほら、またそんな我儘言って私達を困らせようとする!あなたの一番の問題はね、そんな事に意固地になってこだわって将来のことを何にも考えてないところなの、自分でわかってる?」
「それ、それは、院が忙しいの!これから先、論文に向けてやらなきゃいけない事が山積みなのわかってよ…」
「もう無理、ごめん、来年から就職活動とかして貰わない?もう耐えられません、家計を支える努力もしてもらいます」
「何でそこまで反対するの?」
「当たり前じゃない」
「だって源氏物語の研究で研究者になりたいから博士課程に進むって、無謀じゃないの?今年で修士3年なのに?もう一年通う?」
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かつて存在したVTuber「集藍(あずら)れいん」と、ファンの通称「あめしすと」。契約解除・活動終了から十数年が経過し、演者だった双雨由香里にすら忘れられていた。
現在は特殊清掃職に就く由香里はこの日、新たな依頼を受けて後輩と、ある男性の住居へ向かっていた。近年目立つ、独身の壮年層による事例だ。
怪奇は唐突に訪れる。
「あの、こういうのが」
後輩がふいに見せたのは、毎日の日付が押されている複数の封筒だった。
「集藍れいんさん好き!」
「集藍れいんさん好き!」
「集藍れいんさん好き!」
「集藍れいんさん好き!」
「集藍れいんさん好き!」
「集藍れいんさん好き!」
「集藍れいんさん好き!」
開いた手紙の結びが全てそう統一されているのを見た由香里は、内心で感情になった。
「あっちの押入れ、この封筒で満杯なんですよ」
【悲報】集藍れいんさん、今もあめしすとに認知されていた模様【あの人は今】
ゴシップ系サイトにそんな記事が載る杞憂が見えた。
会社への連絡の結果は、企業の倒産と所属者の動向不明に伴う引取先の不在による、封筒の処分承認だった。帰宅後、由香里は自分の端末で確認をする。
“集藍れいん” の検索結果 約25件
検索結果の最上位に出たTwitterアカウント。最後の発言は、どうやら件の故人の推定死亡時期と一致している。そういえば、Twitterは前から一定期間活動のないアカウントを消す機能をつけていたはず。
由香里は検索履歴を削除すると、彼が最後のあめしすとであることを切に願った。
優勝特典
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